中山道番場宿 鎌刃城から、竜宮山、八葉山、西坂山、地蔵峠(ハイキング・コース)

評価 :4/5。

中山道の番場宿の東の山上に位置する鎌刃城跡から、尾根道をたどって竜宮山、八葉山、西坂山を経て、松尾寺山に近い地蔵峠まで縦走します。地蔵峠からは松尾寺の西坂参道を下り、再び中山道に出てJR醒ヶ井駅まで歩きます。史跡と山歩きの両方が楽しめるコースです。


鎌刃城は戦国時代の山城。続日本100名城にも選ばれています。尾根上に数多くの曲輪の跡や、堀切が残されています。

鎌刃城からは竜宮山、八葉山、西坂山と峰が連なっていて、整備された登山道があります。一部に急な登り下りがあるものの、快適な尾根歩きも楽しめます。

コースの見どころ

JR醒ヶ井駅あるいはJR米原駅から番場宿まで歩いても1時間弱ですが、取材の日はJR醒ヶ井駅からまいちゃん号を利用し、番場資料館まで行きました。ここで鎌刃城の情報も得られるはずですが、この日は閉館していました。

番場資料館
番場資料館

鎌刃城の登り口へは、番場資料館の右わきを抜けて裏手に出ると近道です。ここを抜けると殿屋敷遺跡の案内が。「殿屋敷なんて聞いたことないな」と思いつつ、すぐ近くですから見学に行ってみました。どうやら、屋敷跡が発掘された場所のようです。時期は13世紀末から15世紀初頭だそうで、番場宿が、中山道より古い、東山道の宿場だったころの施設だそうです。

番場宿殿屋敷遺跡
番場宿殿屋敷遺跡

鎌刃城へは、名神高速道路下をくぐっていくのですが、登山口の脇に地蔵堂と、「菅公の腰掛石」の標識が。菅公(かんこう)は菅原道真のことですが、894年に東山道を通り、この地で石に腰かけたのだとか。かつてはここに天満宮があったそうです。

番場宿 菅公の腰掛石
番場宿 菅公の腰掛石

続いて、鎌刃城に上る前に、番場城を訪れます。ため池がありますが、左に行くと鎌刃城への道、番場城へは右へ行き、尾根を目指します。この辺りはかなり湿度が高いようで、苔むした森が結構素敵です。

番場城への道
番場城への道

番場城は、鎌倉時代にこの辺りの地頭を務めた土肥氏の居城と考えられているそうですが、明確な資料はないようです。尾根上に小さな堀切が数本と、わりに狭い主郭があります。最近になって登山道が整備されたようで、迷うことなく上ることができます。

番場城主郭
番場城主郭

番場城からは、尾根伝いに直接鎌刃城を目指すこともできるようですが、道は踏みあと程度になるようなので、いったんため池のある分岐点まで戻って、鎌刃城を目指します。こちらからの登りが鎌刃城の大手口にあたります。

道は、まずよく手入れされた竹林を通ります。

鎌刃城登山道の竹林
鎌刃城登山道の竹林

やがて道は尾根に出ますが、尾根のところには「蓮華寺」の道標がありました。蓮華寺からも鎌刃城へ登る道があるようです。

しばらく登ると、鎌刃城の大堀切に出ます。大堀切は幅が25m、深さが9mもある大規模な堀切で、他の山城でもこの規模の堀切はあまり目にしません。鎌刃城は戦国時代の城で、当初は近江の京極氏と六角氏の争いの場となり、後には織田信長と、浅井長政のせめぎあいとなった城でした。そのためこのような大規模な防御施設が作られたのでしょう。城主の堀秀村は、当初浅井氏の家臣でしたが、後に織田方に寝返りました。1573年に浅井氏が滅亡、堀秀村も翌1574年に改易となったため、鎌刃城は廃城となったそうです。

鎌刃城大堀切
鎌刃城大堀切

鎌刃城の南側斜面には大石垣が残っています。

鎌刃城の大石垣
鎌刃城の大石垣

大堀切から一段上がると、曲輪が出てきます。この辺りには北大櫓があったとか。鎌刃城は主郭を中心にY字型の構造をしていますが、ここは北の曲輪に当たります。

鎌刃城の復元図
鎌刃城の復元図

北の曲輪の虎口がきれいに残っていますが、これは発掘されたものだとか。

鎌刃城北の曲輪の虎口
鎌刃城北の曲輪の虎口

曲輪をいくつも越えていくと、鎌刃城の主郭に出ます。主郭はかなりの広さがあります。

鎌刃城主郭
鎌刃城主郭

主郭の虎口もよく残っています。

鎌刃城主郭の虎口
鎌刃城主郭の虎口

主郭から南に向かうと、次第に痩せ尾根になり、こちらには曲輪は見られず、堀切が連続します。

鎌刃城南側の堀切
鎌刃城南側の堀切

しばらく快適な痩せ尾根歩きが続きます。

鎌刃城南部の痩せ尾根
鎌刃城南部の痩せ尾根

やがて道はいったん林道に出ます。林道50mほどで、竜宮山に登る尾根に取り付きます。竜宮山の斜面はかなり急ですが、岩がむき出しになっているところが多く、松尾寺山と同じ成り立ちであることを思わせます。

竜宮山の斜面
竜宮山の斜面

竜宮山は標高540m、琵琶湖の北のほうの眺望がきれいです。浅井氏の小谷城や、織田信長の軍が陣を置いた虎御前山など、一望にできます。眼下には番場宿や、太尾山なども見えます。

竜宮山からの眺望
竜宮山からの眺望

続いて登るのは八葉山。竜宮山から八葉山までは急な登り下りはなく、八葉山はむき出しの岩もないなだらかな山です。八葉山の標高は601mで、このハイキング・コースの最高地点です。

八葉山山頂
八葉山山頂

続いて登るのが西坂山。西坂山は530mですが、ここから地蔵峠へ下る道はそこそこ急な道です。

西坂山山頂
西坂山山頂

松尾寺山砦の直下が地蔵峠です。ここから松尾寺山山頂や、松尾寺廃寺へと向かう道が分岐しています。ここは、二つある松尾寺への参道の一つに当たり、峠には大日如来が祀られていて、その傍らには一本杉が生えています。地蔵峠という名ですが、実際にあるのは大日如来像なのですね。

地蔵峠の大日如来像
地蔵峠の大日如来像

西坂山から下りが続きますが、地蔵峠の手前でいくつかの堀切が出てきます。ここが松尾寺山砦です。松尾寺山砦は主郭部分も狭く、文献にも明確には登場しないため、一時的な施設と考えられています。

松尾寺山砦の堀切
松尾寺山砦の堀切

ここからは西坂の参道を下りますが、丁石(ちょういし)や石仏が残されています。

西坂参道の丁石
西坂参道の丁石

しばらく下ると、道を少しそれたところにえみの地蔵(咲の地蔵)。この地蔵は、文献だけで知られていたものが、最近になって発見されたものだそうです。

えみの地蔵
えみの地蔵

やがてのんびりした西坂の集落に出ます。車道に出たところには地蔵堂。たくさんの素朴な地蔵があるのは、関ケ原からこの辺りにかけての特徴ですね。

西坂の地蔵堂
西坂の地蔵堂

西坂からは、中山道を経由してJR醒ヶ井駅まで30分ほど。まいちゃん号西坂4停留所もすぐ近くです。

集合場所

JR醒ヶ井駅が集合場所、出発点になります。番場宿までは、米原市が運営する乗り合いタクシーのまいちゃん号の利用が便利です。JR米原駅からまいちゃん号を利用する場合は、米原駅(東口)の米原共通1停留所からが便利です。

行程とコースタイム

このコースは西番場の番場資料館から歩き始めます。全行程は10km、5時間ほどです。番場資料館の前にはまいちゃん号の停留所、西番場3があります。

昼食

途中に商店やレストランはありませんので、弁当の持参が必要です。

トイレ

道中にトイレはありません。

持ち物と服装

軽登山の服装をお勧めします。急な上り下りもあるので、靴は軽登山靴か、ハイキングシューズを用意してください。

ハイキング適期

早春から初夏、晩秋の紅葉の時期をお勧めします。梅雨から夏の間はヒルが出る可能性があります。

近隣の見どころ

番場宿の中の蓮華寺は時間があれば訪れたいところです。

また体力に余裕があれば、松尾寺山松尾寺廃寺もどうぞ。この場合、丹生川のほうに下山することも可能です。

Post Author: ガイドマスター