JR柏原駅から歩いてすぐのところからハイキングが楽しめます。野瀬山山頂付近は山城の跡で、土塁が明確に残るなど、歴史を感じることもできます。
長比城(たけくらべじょう)跡は、JR柏原駅から見ると北東にある低い山、野瀬山の上にあります。下の写真だと中央が柏原駅、左奥が伊吹山、右の奥に見えるのが長比城跡のある野瀬山です。野瀬山からしばらく尾根伝いに行ったところには、須川山砦の跡もあります。須川山砦も長比城と一体に運用されたものと思われます。
野瀬山は標高391メートルで、登山道も野瀬山会という地元の団体によって整備されており、軽登山の経験がある方ならガイドなしでも訪問は十分可能です。道中危険なところもありません。一方須川山砦までの道は整備されておらず、地形図の読める経験者がいないとルートを見つけるのが大変かもしれません。
長比城と須川山砦のトレッキングマップは米原市のホームページからダウンロードできます。
山中の地図上のルートは大まかなものと考えてください。
コースの見どころ
JR柏原駅を出て、よく整備された中山道を東に向かいます。中山道の柏原宿の宿場町の中心は駅より西側ですから、時間がある時は散策すると良いでしょう。
しばらく歩くと、歌舞伎の小栗判官ものなどに登場する照手姫の伝説がある、照手姫笠掛地蔵などがあります。
東海道本線の踏切を越えていくと、北側に新明神社の鳥居があります。ここが長比城などがある野瀬山の登山口。
長比城は近江と美濃の国境近くにある城跡で、1570年に浅井長政が美濃の織田信長と対峙するために築城したと言われています。長比城からは眼下に当時の東山道(のちの中山道)が通る柏原が一望できます。
しかし、浅井長政の家臣で長比城の城主だった堀秀村は織田信長に促されて戦わずして降伏してしまいました。かつて浅井長政の客分であった、竹中半兵衛の人脈で堀秀村を篭絡したと言われています。
須川山砦は尾根続きのところにありますが、こちらは道は整備されておらず、山慣れない人の単独行は勧められません。土塁に囲まれた曲輪がきれいに残っています。
集合場所
JR柏原駅前が集合場所となります。柏原駅から歩き始めます。
行程とコースタイム
このコースはJR柏原駅から歩き始め、ゆっくり歩いても3時間ほどです。登山口までの20分ほどは旧中山道を歩き、残りは山道です。
昼食
柏原宿内には数軒食事ができる店があります。駅前には三丁目キッチンがあり、懐かしい鉄板ナポリタンが食べられます。照手姫笠掛地蔵尊のあたりから国道に出たところには、中華料理店の紅梅園があります。柏原宿歴史館に併設されているお休み処柏ではお灸にちなんだ「やいとうどん」が出ます。柏原近くの伊吹山はかつてもぐさの産地でした。コンビニは中山道沿いではなく、並行して走る国道沿いにあります。
トイレ
柏原駅の改札内にトイレがあります。それ以外は柏原宿内に公衆トイレがあります。コース途中にはトイレはありません。
持ち物と服装
登山道付近では以前クマが目撃されたことがあります。クマよけの鈴などを用意してください。
低い山ですから、本格的な登山の服装は必要ありません。暖かい時期はダニなどが出ますから、足を覆うズボンがお勧めです。
スニーカーでも大丈夫ですが、足首まである軽登山靴をお勧めします。
ハイキング適期
年中訪れることができますが、夏の暑い時期と雪がある時は避けるほうが良いでしょう。数十センチの積雪になる時があります。
3月中旬から下旬には野草や馬酔木(あせび)、ミツバツツジなどが花を付けます。
近隣の見どころ
半日で訪れることができる行程ですから、柏原宿の見学や、柏原宿周辺の史跡の見学をする余裕があると思います。特に成菩提院は柏原駅への帰路に遠回りすれば立ち寄ることができます。頑張れば清滝山に登るハイキング・コースと組み合わせることも。
醒井宿や、今須宿・関ケ原宿まで歩くことも可能です。今須宿へ行く途中にある寝物語の里や車返しの坂まで行って引き返すこともできます。
また健脚者なら柏原を挟んで反対側にある八講師城跡を訪れることも可能です。
コメント
“柏原駅から長比城跡(ハイキング・コース)” への1件のコメント
[…] 今須宿からひたすら歩き(と言っても1時間かかりませんが)柏原宿 に近づくと、右手の神社の入り口に「長比城跡登り口」の案内が。長比城と書いて「たけくらべじょう」と読むそうです。次回のハイキングはここにしようかな。(その後行った長比城はこちら) […]