このコースは中山道柏原宿から醒井宿までのハイキングに、途中京極氏の隠れ城と言われる猪鼻城(別名河内城)跡を組み合わせたコースです。
柏原宿から醒井宿までは車があまり通らない昔の街道の風情を残したコースで、ゆっくり歩いても2時間ほど。
猪鼻城跡へは梓河内にある中山道からの分かれ道から往復約2時間です。集落を抜けた後は手入れの悪い山道で、温かい時期にはダニやヒルが出ますので、城跡などに興味がある人以外には勧められません。
コースの見どころ
JR柏原駅から柏原宿を抜け、西に向かいます。
途中東山道時代の小川の関跡を通ります。ただこの辺りの史跡はどこも「跡」ばかりで、建物などが残っているところはほとんどありません。
やがて左側に梓河内地区への分岐点。八講師城と猪鼻城への案内もあります。案内に従って名神高速のガード下の道を進みます。
梓河内(あんさかわち)は江戸時代には旗本の西郷氏の領地だったそうで、旧中山道沿いには西郷氏の館跡があります。
なんでも梓河内の梓と河内は別集落で、梓川の上流が河内だとか。猪鼻城に向かう途中の河内集落はとても風情のある山里です。
河内集落のどん詰まりから山道に入り、猪鼻城跡をめざします。猪鼻城に関しての詳細はこちら。
中山道に戻って醒井宿を目指します。おおむねこんな風情のある街道歩きが続きます。
途中梓川沿いにあった「推定横河の駅家跡」の案内。壬申の乱の横河の古戦場跡の案内は醒井宿の近くにありますが、ここ梓河内を横河と比定する学説もあるそうです。
一色の集落にある八幡神社とその前に並べられたお地蔵様。この地域一帯にこのような素朴な地蔵が無数にあります。
名神高速道路わきの一里塚跡。
ここは佛心水と呼ばれる井戸。
佛心水の近くには古くからの馬頭観音があります。ところが行ってみると、大きな碑があるものの、隣接するお堂の中はもぬけの殻。ひょっとすると碑の前の小さな石仏が馬頭観音?それとも元々碑だけで馬頭観音像はなかった?調べてもよくわかりません。また馬頭観音の碑自体も、今は中山道から少しそれた国道沿いにありますが、元々は中山道沿いにあったものを、名神高速道路の工事に伴い現在地に移したとのこと。
醒井宿の東端にあたる東見附(番所)。ここで街道は2度直角に曲がる桝形になっています。
そこからしばらく歩くと、日本武尊伝説がある居醒の清水。日本武尊の像も立っています。
醒井延命地蔵尊(醒ヶ井地蔵尊)は鎌倉時代の大きな石像。
醒井宿を流れる地蔵川はバイカモ(梅花藻)とハリヨの生息地として有名です。
醒井宿資料館では問屋場を再現しています。トイレもあります。
醒井宿を歩いていて、「あれ?」と思った醤油屋さん。ヤマキ醤油はきいたことがあります。ここは有限会社醤油屋喜代治商店といい、元々醒井の名水を使って醤油を作っていたようです。ヤマキ醤油が醒井の会社だとは知りませんでした。
しばらく歩くと天然記念物の了徳寺の御葉付銀杏。なんでも銀杏が葉の先に付くのだとか。取材は春先でしたから確認できませんが。
続いてこれも名水。細い水路の奥から流れ出ている十王水。
十王水の次にあるのが西行水。この辺りの中山道は行基とか弘法大師とか西行とか、ビッグネームにまつわる伝承がある史跡が多いのですが、東山道が通る、かつての要衝だったせいでしょうね。西行水にも伝説があるようです。
西行水から少し西で、中山道は地蔵川から離れます。その先を右折するとゴールのJR醒ヶ井駅です。
集合場所
JR柏原駅が集合場所、出発点になります。終点はJR醒ヶ井駅です。
行程とコースタイム
このコースはJR柏原駅から歩き始め、真っすぐに醒井宿に向かう場合は2時間ほど。猪鼻城跡へ立ち寄ると4時間ほどの行程です。
昼食
柏原の周辺に飲食店が数軒。あとは醒ヶ井に近い国道沿いに飲食店があります。醒井宿内の飲食店は観光シーズン以外開いていないところもあるようです。
トイレ
柏原宿内に公衆トイレがあります。あとは醒井宿までトイレはありません。
持ち物と服装
猪鼻城跡に立ち寄らず、街道歩きだけを楽しむなら街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。
猪鼻城跡に立ち寄る場合は、簡単な山歩きの服装が必要です。季節によってはダニやヒルが出ますから、長そで長ズボンは必須です。石がごろごろしている場所もあるので、靴は軽登山靴がお勧めです。
ハイキング適期
年中訪れることができますが、夏の暑い時期と降雪がある時は避けるほうが良いでしょう。
猪鼻城跡に行くのは晩秋から初春のダニやヒルが出ず、藪もひどくない頃がお勧めです。
近隣の見どころ
柏原宿近くの北畠具行卿の墓などがあります。猪鼻城跡に立ち寄らない場合は、京極氏の菩提寺である清滝地区の徳源院を組み合わせるのも良いと思います。