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滋賀県米原市柏原、JR柏原駅の北にある成菩提院(じょうぼだいいん)は、正式には寂照山円乗寺定菩提院と言います。その起源は815年に最澄が天台宗の談議所を建てたことにあり、のちに延暦寺の別院となったそうです。1326年に焼かれますが、応永年間(1400年前後)に貞舜が再建しました。

戦国時代には織田信長豊臣秀吉小早川秀秋などが宿営した記録があります。また、織田信長や徳川家康が寄進をするなど、戦国武将と繋がりが深い寺院として知られています。徳川家康の知恵袋として知られる天海大僧正も住職を務めていました。

柏原の定菩提院
柏原の成菩提院

戦国大名との繋がりで知られる定菩提院ですが、もっと重要な側面があるようです。

滋賀県米原市柏原の寂照山円乗寺成菩提院(以下「成菩提院」と記す)は、天台宗を代表する学問寺院として知られた歴史を持つ。南北朝期の初代住職貞舜以降、談義所および灌頂道場(灌室)として著名であり、近世に入っても比叡山直末の朱印地寺院としての格式を保持した。

中略

南北朝期以降学問寺院として発展し、近世を通じて有力寺院の位置にあり、近代史料まで豊富に揃えている成菩提院は、地方の中核的寺院のあり方を考える好個の研究対象といえる。

『日本仏教総合研究』 第11号 006

というわけで、成菩提院に残される中世・近世の膨大な文章は、非常に価値があるもののようです。素人にはまったくわかりませんが。

この他にも、絹本著色浄土曼荼羅などの重要文化財を始め、多くの文化財を有することでも知られています。

柏原の定菩提院山門
柏原の成菩提院山門

柏原の定菩提院山門案内板
柏原の成菩提院山門案内板

定菩提院本堂
成菩提院本堂