関ヶ原の戦いを巡る(ハイキング・コース)

関ヶ原の戦いの中心地を巡る関ヶ原ハイキングコースです。JR関ヶ原駅から岡山烽火場(のろしば)、エコフィールド関ケ原を経て、関ケ原古戦場決戦地笹尾山・石田三成陣跡、島津義弘陣跡小西行長陣跡、開戦地、徳川家康最後陣跡東首塚などを周ります。

関ヶ原は意外と東西に長いですが、このコースは史跡と自然がミックスされ手軽な関ヶ原ハイキングコースです。コースの一部では東海自然歩道を通ります。

この関ヶ原ハイキングコースで紹介する以外にも各武将の陣跡など史跡が数多くありますが、どこまで周れるかは時間と体力次第になります。

関ヶ原ハイキングコースの見どころ

JR関ケ原駅を出たら、JRの線路をまたぐ道路を北へ向かいます。まず目につくのは岐阜関ヶ原古戦場記念館。2020年10月にオープンした新しい施設です。取材に訪れたのはオープン直前でしたので中の紹介はありません。見学には予約が必要なようですので、公式ページで確認ください。ちなみに売店やレストランは見学者以外でも利用できます。

岐阜関ヶ原古戦場記念館

なお岐阜関ヶ原古戦場記念館に立ち寄らない場合は、関ヶ原駅から東海自然歩道をたどって東方向へ向かい、JRの下をくぐって直進する方が近道です。ただし、近道の場合コンビニに立ち寄ることはできません。

関ヶ原ハイキング・コースはコンビニを経て山手の集落を抜けます。この辺りのお堂にも古い五輪塔などがあり、歴史を感じさせます。やがて美しい竹林の中を登ります。京都嵯峨野の竹林の小径は観光客を入れずに写真を撮るのが大変ですが、ここは誰もいません。

関ヶ原の竹林
関ヶ原ハイキングコースの竹林

なぜか山の中にある金刀比羅宮を経て岡山(丸山)烽火場に着きます。ここはまた黒田長政竹中重門の陣跡でもあります。東軍に開戦を知らせる烽火をここからあげたそうです。

岡山烽火場からの眺め
岡山烽火場からの眺め

岡山烽火場からは舗装はありませんが、よく整備された山道を進みます。ここは東海自然歩道の一部です。大きな上り下りはありません。

しばらく進むと北野神社。菅原道真を祀るいわゆる天神様です。通常天満宮とか天神社という名前が付いていることが多いですが、北野天満宮から「北野」の方を取って名付けているのですね。この北野神社は、平安時代の末期に関ヶ原に朝廷が公文所(役所)を設け、それに伴う守り神として北野天神を祀ったもとのようです。ただし、その時期等には複数の説があり、939年の平将門の乱に伴うものというものと、1170年に関ヶ原与一(藤原基清)が設けたというものがあるようです。

関ヶ原の北野神社
関ヶ原の北野神社

さらにハイキングコースを進むと池のある開けた場所に出ます。ここがエコフィールド関ケ原です。

エコフィールド関ケ原
エコフィールド関ケ原

エコフィールド関ケ原には池が3つありますが、道は池を縫うように進み、やがて山から平地へと降りていきます。そこをしばらく歩くと着くのが関ケ原古戦場決戦地です。その名の通り、戦の結果が決定的となった場所です。関ヶ原ハイキングコースのハイライトの一つではありますが、石碑と旗が立っているだけで、相当想像力を巡らせないと、戦場であったことをうかがい知ることは出来ません。

関ケ原古戦場決戦地
関ケ原古戦場決戦地

関ケ原古戦場決戦地からは、石田三成陣地があった笹尾山へ向かいます。笹尾山の麓には石田三成の重臣島左近陣跡などがありますが、その右側から斜面を登る道があります。ちなみに島左近は合戦中に討ち死にしたそうです。

登り着いたところで展望が開けます。

石田三成陣地跡からの眺め(各武将の配置)
石田三成陣地跡からの眺め(各武将の配置)

石田三成陣地の碑は少し奥まったところに立っています。先に進む道(東海自然歩道)はわかりにくいですが、この碑の奥に続いています。

石田三成陣跡
石田三成陣跡

藪が多い東海自然歩道をたどると、樹林の中の斜面を下り、八幡神社の脇に出て、集落の中へ入ります。ここから道は昔ながらの集落の間を抜けて南下します。

笹尾山麓の八幡神社
笹尾山麓の八幡神社

集落から少し外れたところにあるのが薩摩池。この辺りに陣を置いた薩摩の軍勢が水場として使ったとか。

薩摩池
薩摩池

しばらく歩いて左に森が見えるとそこが島津義弘陣跡島津義弘は敗戦後薩摩まで逃げ戻ったことで有名です。島津義弘が逃げたルートは島津の退きぐちハイキングコースで紹介しています。

島津義弘陣跡
島津義弘陣跡

島津義弘陣跡から来た道を少し戻り、南下すると関ヶ原の戦いの開戦地。その奥にあるのが小西行長陣跡です。小西行長はキリシタン大名でした。

小西行長陣跡
小西行長陣跡

小西行長陣跡から徳川家康が勝利後に首実検を行った徳川家康最後陣地はほぼ真東にあります。例によって史跡といっても場所を示す記念碑しかありませんが。

徳川家康最後陣地
徳川家康最後陣地

徳川家康最後陣地から関ケ原駅へ向かう手前、JR線沿いに東首塚があります。

東首塚
東首塚

東首塚の先には松平忠吉・井伊直政陣跡も。井伊直政は初代彦根藩主になります。松平忠吉は徳川家康の四男で、井伊直政の娘婿です。関ケ原合戦の戦功で清洲藩主になりますが、江戸時代に入ってすぐ病死したそうです。

ここからはJR関ケ原駅はすぐです。取材の日は中山道関ケ原宿の面影を探して旧中山道沿いを歩いてみましたが、国道になっているため、かつての風情はまったくありませんでした。

関ヶ原ハイキング・コースを通しての案内は以下のビデオをご覧ください。表示は英語です。

https://www.facebook.com/WalkingTourInJapan/videos/256707715744821

関ヶ原ハイキングの集合場所

JR関ケ原駅前が集合場所、出発点になります。

関ヶ原ハイキングの行程とコースタイム

このコースはJR関ヶ原駅から歩き始め、ゆっくり周って5時間ほどです。エコフィールド関ケ原周辺、笹尾山周辺を除き、おおむね舗装された道を歩きます。

昼食

ルート中には飲食店がほとんどありません。弁当持参がお勧めです。歩き始めてしばらくのところにはコンビニがありますので、そこでお弁当を購入することもできます。若干コースから外れますが、レストラン梺(ふもと)が利用できるかもしれません。

また歩くタイミングによっては岐阜関ケ原古戦場記念館別館にあるレストラン伊吹庵が利用できます。

トイレ

関ケ原駅の改札内、岐阜関ケ原古戦場記念館別館前のふれあい広場公衆トイレ、エコフィールド、笹尾山の麓、激戦地などにトイレがあります。

持ち物と服装

街歩きの服装で大丈夫です。若干藪がある場合がありますので、スカートよりはパンツがお勧め。靴はハイキングシューズかスニーカーを勧めます。

ハイキング適期

年中訪れることができますが、夏の暑い時期と降雪がある時は避けるほうが良いでしょう。降雪が多い時には全く歩けません。

近隣の見どころ

2020年10月、関ケ原駅近くに岐阜関ヶ原古戦場記念館(公式ページはこちら)が開館しました。見学には予約が必要です。

少し足を延ばせば、徳川家康最初陣跡宇喜多秀家陣跡大谷吉継陣跡を訪ねることもできます。

また頑張れば小早川秀秋陣跡の松尾山ハイキングができます。時間と体力に余裕が必要です。

徳川家康最初陣跡を経由する垂井宿までの中山道歩きも、日が長い時には可能です。