このウォーキングコースは、南禅寺から永観堂(見返り観音を見学)を経て、そのまま哲学の道を北上するのではなく、西に向かいます。あまり知られていない金戒光明寺、真如堂(真正極楽寺)を見学してから東に戻り、哲学の道を経て法然院、銀閣寺と訪ねます。6㎞ちょっとの距離のウォーキングコースですが、それぞれの寺院での拝観を考えると、1日かけてゆっくりと回りたいコースです。
南禅寺の最寄り駅は地下鉄東西線の蹴上駅です。駅から南禅寺までは徒歩で10分ほど。道中にも寺社が並んでいますから、ゆっくりと散策しながら歩きましょう。
南禅寺
南禅寺は1291年に亀山法皇が大明国師を迎えて開創された寺院で(南禅寺の歴史についてはこちらを参照)、禅宗においてはもっとも格式のある寺院とされています。境内に入ってまず重要文化財である三門の大きさに驚きます。歌舞伎の石川五右衛門が「絶景かな~」と大見得を切るのがここです。
南禅寺の拝観は、三門、方丈庭園、南禅院の三ヵ所が有料となっています。境内には有名な水路閣(疎水)が通っていて、彩を添えています。
永観堂と見返り観音
南禅寺からすぐのところにあるのが永観堂で名高い禅林寺。平安時代に藤原関雄の東山山荘であった場所に、853年に真紹(空海の弟子)が買い取って五智如来を安置したのが始まりだそうです。禅林寺・永観堂の歴史はこちらを参照してください。
永観堂には見返り阿弥陀像(見返り観音)がまつられています。見返り観音像は結構間近で見ることができます。残念ながら見返り観音像は撮影禁止なので写真はありませんが、美しいけど、思ったよりも小さいというのが正直なところ。
永観堂から金戒光明寺
永観堂から金戒光明寺へ向かいます。金戒光明寺へは、永観堂から東方向に進みます。いたるところに京都らしい風情が感じられます。
金戒光明寺
岡崎神社の脇の道を通り、南門から金戒光明寺に入ります。金戒光明寺は京都の中ではさほど知名度はないかもしれませんが、浄土宗の七大本山の一つで、1175年に法然が建立したと伝えられているそうです。幕末には金戒光明寺が京都守護職を仰せつかった会津藩の本陣となり、新選組なども出入りしていたそうです。
金戒光明寺は何度も火災にあったためか、文化財の数はさほど多くありません。建物では1633年建立の文殊塔(三重塔)が唯一重要文化財です。ただ、取材に訪れた時には、内部で伊藤若冲の作品が何点か展示されていましたので、若冲が好きな方は要チェックです。
金戒光明寺の庭園は紅葉の隠れた名所です。
金戒光明寺から真如堂
金戒光明寺から真如堂への細道は、秋には知る人ぞ知る紅葉ウォークが楽しめる道だそうです。金戒光明寺の北側にあり、朱塗りの門が目を引く栄摂院は金戒光明寺の塔頭の一つ。徳川家康の家臣で、後に井伊直政に従い彦根藩の家老になった木俣守勝(墓所は金戒光明寺)が1589年に創建しました。栄摂院は紅葉の時期だけ庭園を公開しています。小さなお寺ですが、紅葉の時期にはここは必見。
真如堂
金戒光明寺の北門を抜けると、その先にすぐ真如堂。正式名称は真正極楽寺です。比叡山延暦寺を本山とする天台宗の寺院で、984年開山です。通称の真如堂は本堂のことを指します。本堂は江戸時代の再建で、重要文化財。本尊の阿弥陀如来立像は平安時代の作で、重要文化財です。年に一度、11月15日にだけ開帳される秘仏です。
真如堂には枯山水の涅槃の庭と、モダンな随縁の庭があり、楽しめます。
哲学の道
真如堂からは東に向かい、哲学の道に出ます。哲学の道は紅葉よりも、花の時期がお勧めです。お茶をしているのは哲学の道沿いにある喫茶Pomme(ポム)。
法然院
銀閣寺に至る手前で哲学の道を離れ、東側の山沿いに入ると法然院があります。江戸時代初期、1680年の創設。法然院の由来は以下です。後鳥羽上皇は後に承久の乱をおこし、隠岐に流された人ですね。法然の弟子の弟子の安楽・住蓮の名を冠しそして松虫・鈴虫をまつる住蓮山安楽寺は、法然院の少し南にあります。時間があれば法然院の前に立ち寄りも可能です。
鎌倉時代の初め、専修念佛の元祖法然房源空上人は、鹿ヶ谷の草庵で弟子の安楽・住蓮とともに、念佛三昧の別行を修し、六時礼讃を唱えられた。1206年(建永元)12月、後鳥羽上皇の熊野臨幸の留守中に、院の女房松虫・鈴虫が安楽・住蓮を慕って出家し上皇の逆鱗に触れるという事件が生じ、法然上人は讃岐国へ流罪、安楽・住蓮は死罪となり、その後草庵は久しく荒廃することとなった。江戸時代初期の1680年(延宝8)、知恩院第三十八世萬無和尚は、元祖法然上人ゆかりの地に念佛道場を建立することを発願し、弟子の忍澂和尚によって、現在の伽藍の基礎が築かれた。
http://www.honen-in.jp/HONEN-IN-001.html
法然院も紅葉の名所です。伽藍内部は春秋の2回特別公開されます。法然院には谷崎潤一郎や東洋学者の内藤湖南、河上肇などの墓地があるそうです。
銀閣寺
法然院から哲学の道に戻って北上し、銀閣寺へ。銀閣寺の正式名称は東山慈照寺で、相国寺の塔頭の一つです。室町幕府第八代将軍の足利義政が造営した山荘、東山殿が銀閣寺の元になっています。銀閣寺はあまりにも有名ですから、くどくど説明する必要はないでしょう。
銀閣寺からの帰路は、銀閣寺道からバスに乗るのが一般的です。
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