JR東海道線で米原駅から関ケ原・大垣方面に向かう時、左手を気を付けてみていると、岩山に作られた目を引くお堂があります。これが善光寺岩屋善光堂です。このコースでは、米原駅から歩き始め、善光寺岩屋善光堂を見学、その上の岩脇山(いおぎやま)に登ります。その後は近江の農村をぶらぶら歩いて中山道に入り、醒井宿まで向かいます。
このハイキング・コースは8㎞ほどですので、午前中あるいは午後に歩くことも十分可能です。
コースの見どころ
歴史はあるものの、あまり見どころはないコースかもしれません。
その中のハイライトは善光寺岩屋善光堂です。ご覧のように岩山に木組みを建て掛けて作られた上にお堂があります。掛け造りと呼ぶそうです。本堂には入ることもできます。ここは飛鳥時代の600年ころ、本田善光が後に長野善光寺の本尊となる、阿弥陀如来像を背負って信州に向かう途中、立ち寄ったとされるところです。
善光寺岩屋善光堂の背後、岩脇山(いおぎやま)の上から見た風景。低い丘のようなところで、登山と言えるほどのものではありません。岩脇山から琵琶湖方面を見ると、東海道新幹線がよく見えます。
ちなみに浅井氏に仕えていた今井氏の支族、岩脇氏の居館、岩脇氏館が岩脇山の北側にあったそうですが、遺構はありません。
善光寺岩屋善光堂の近くには、岩に大きな横穴が二つあけられています。これらは岩脇蒸気機関車避難壕で、第二次世界大戦中に米軍の空爆から機関車を隠すために掘られたそうです。
岩脇山からは、特に目立った見どころもない農村歩きが続きます。ただこのあたりの北を流れる天野川を挟むこの辺りは、箕浦古戦場にあたり、1531年には六角定頼と浅井亮政(浅井長政の祖父)との間で箕浦合戦があり、浅井亮政が敗退しています。
途中通る寺倉という集落は、かつて室町時代には寺倉氏という一族が支配し、現在の槻倉(きそう)神社のあたりには寺倉城があったそうです。そうした面影は何もありませんが。
寺倉集落からは国道沿いに出なければならないところがあり、歩いて楽しくありません。北陸自動車道を越えたら、国道歩きを避けて、中山道番場宿と醒井宿の間に出ます。ここからは中山道を30分弱歩くと醒井宿、醒ヶ井駅です。醒井宿までの道には、それなりに風情のある街並みが続きますが、一部歩道のない国道を歩かなければなりません。
醒ヶ井駅に近いところには壬申の乱の戦跡、横河の古戦場跡の看板があります。上丹生川の橋の近くですが、気を付けていないと見落としそうです。
集合場所
JR米原駅西口が集合場所、出発点になります。帰路はJR醒ヶ井駅からです。
行程とコースタイム
このコースはJR米原駅から歩き始め、見学を含めて4時間あれば十分です。岩脇山を除いてすべて舗装された道を歩きます。
昼食
ルート上には飲食店がありませんが、ルートを少しそれて国道へ出ると、何軒かの飲食店があります。ほとんどが車で国道を通る人向けの店で、あまり特徴のあるお店はありません。取材の時はバリバリジョニー米原インター店を利用しました。かなりヘビーです。道中ほかにお勧めのお店がないのが残念。
米原駅周辺で早目のランチを済ませてから歩くのも良いでしょう。その場合、駅の西側、北国街道沿いの Cafe du MBF がお勧めです。
トイレ
米原駅を出ると、醒ヶ井駅までトイレはありません。
持ち物と服装
街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。
ハイキング適期
年中訪れることができますが、夏の暑い時期と降雪がある時は避けるほうが良いでしょう。
近隣の見どころ
時間に余裕があれば、かぶと山のハイキングコースと組み合わせることもできます。
米原駅、彦根駅、醒ヶ井駅、柏原駅などを起点とするコースと組み合わせることができます。米原駅の東には太尾山城という山城の跡もあります。
7月ごろに訪れるのであれば、醒ヶ井宿の地蔵川のバイカモを見ることができます。
また、以下のコースで紹介している訪問地を加えることも容易です。