賤ヶ岳、余呉湖一周(ハイキング・コース)

このハイキング・コースはJR余呉駅から豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)と柴田勝家の軍勢が争った賤ヶ岳の戦いの戦跡である賤ヶ岳に登り、そのまま余呉湖を一周するコースです。戦跡を訪れながら賤ヶ岳まで登りついた後は、長い急登はなく、静かな低山歩きが楽しめます。ただし、樹木が多いので琵琶湖や余呉湖は、賤ヶ岳山頂を除くと、きれいに見渡せるところはありません。

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コースの見どころ

JR余呉駅から山すそに向かって行くとすぐに賤ヶ岳登山口の看板があります。そのまま登って行けば、しばらくはコンクリート舗装の道、その後もかなり幅の広い山道が続きます。

しばらく登ると、岩崎山砦の跡です。ここは高山右近が陣を敷いた場所ですが、準備が間に合わなかったためか、城としては未完で、柴田勝家方で勝家の甥の佐久間盛政の攻撃を受けると、高山右近はすぐに退却してしまったとか。

続いて尾根上にあるのが大岩山砦跡と中川清秀の墓。中川清秀は高山右近の従兄弟だそうですが、大岩山砦で佐久間盛政の攻撃により討死しています。墓は清秀100回忌に子孫によって建てられたそうです。墓のあるあたりに中川清秀の本陣があったとか。

大岩山砦跡から尾根を少し進むと、首洗いの池という案内が。首洗いの池は少し下ったところにある水場ですが、訪問した時には泥があるのみでした。ここで中川清秀の首を洗ったとか。池の中に動物の骨が落ちていてなかなか不気味でした。

首洗いの池
首洗いの池

尾根に戻って登って行くと、猿が馬場。ここは当初豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)が陣を置いたところとか。戦場が移ったために、秀吉は陣を賤ヶ岳山頂へと移したそうです。

猿が馬場
猿が馬場

賤ヶ岳の頂上に近づくに従い視界が開けてきます。目の前の尾根が、この先歩いて行く余呉湖西側の尾根です。

賤ヶ岳から余呉湖
賤ヶ岳から余呉湖

賤ヶ岳の山頂付近は、平日であったにもかかわらず、複数のグループがお弁当を広げていました。

賤ヶ岳山頂
賤ヶ岳山頂

賤ヶ岳山頂付近の展望台の脇から、西方向の尾根へ向かう道に入ります。山城の形跡があちらこちらに。しばらく下ると、大きな堀切?なのか切通しなのかわかりませんが、尾根が分断されているところに出ます。向こう側へと続く道は、左側から回り込んでいますが、そこに地蔵さん。

登り口は急ですが、その先は緩やかな起伏が続き、快適なハイキングが楽しめます。

そして公法寺山。380mとあります。視界はききません。

公法寺山

さらに快適な尾根歩きが続きます。

続いて大平良山。三角点がありますが、見通しは悪い地味なピークです。

大平良山
大平良山

しばらく下ると権現峠。余呉から塩津へと抜ける昔ながらの峠のようです。ここからは余呉に向けて下ります。

権現峠
権現峠

集落まで下り、余呉湖畔に出ると、余呉湖を一周する道路は中部北陸自然歩道に指定されているようです。駅の方に向かうと余呉湖緑地広場があり、その周辺にはレストランやビジターセンター、トイレなどがあります。湖畔に立つと、歩いてきた尾根が一望できます。

余呉湖畔
余呉湖畔

ここからJR余呉駅は徒歩で10分ほどです。

集合場所

JR余呉駅が集合場所、出発点になります。

行程とコースタイム

このコースはJR余呉駅から歩き始め、6時間ほどです。山道が長いルートです。

昼食

登りはじめから道中には商店・飲食店はありません。余呉湖まで下りてくるとレストランがあります。

トイレ

JR余呉駅にあります。山中では賤ヶ岳山頂にトイレがあります。それ以外は山を下りてくるまでトイレはありません。

持ち物と服装

低山歩きの服装をしてください。靴は軽登山靴をお勧めします。

ハイキング適期

年中訪れることができますが、夏の暑い時期と降雪がある時は避けるほうが良いでしょう。樹林が美しいので特に新緑の頃と、紅葉の頃をお勧めします。

近隣の見どころ

権現峠からさらに尾根伝いに歩くと、堂木山砦など山城の跡を訪ねることができます。日の長い時期にはそちらを周るのも良いでしょう。