森蘭丸ゆかりの美濃金山城(ハイキング・コース)

続日本100名城にも選ばれている美濃金山城(かねやまじょう)は、織田信長の小姓として有名な、森蘭丸の森家の居城だったところです。麓の兼山の集落は、江戸時代まで木曽川の湊があり、水運で栄えたところです。

このコースは、可児市観光交流館・戦国山城ミュージアムの駐車場を起点に、森家ゆかりの寺院などが点在する兼山の集落と、美濃金山城を巡るものです。森蘭丸らの墓石もあり、戦国時代に思いをはせることができるコースです。金山城の本丸からの眺めもきれいです。


このコースの取材には車を使いました。公共の交通機関を利用する場合には、名鉄広見線で明智駅まで来て、そこから八百津行きのバスに乗り、城戸坂あるいは元兼山町役場前バス停で下車します。明智駅からは3㎞くらいですので、歩けない距離ではありません。

ここでは、戦国山城ミュージアムの駐車場から森家ゆかりの寺院を訪れ、大手道から金山城に登城、反対側の北側に降りて、駐車場に戻ってくるコースを紹介します。

コースの見どころ

コースの起点になるのは可児市観光交流館と、戦国山城ミュージアムですが、残念ながら取材の時はコロナ禍で休館していました。

戦国山城ミュージアム
戦国山城ミュージアム

ここに、金山城を巡るハイキング・コースの案内板もありますので、参考にすると良いでしょう。

金山城ハイキングコース案内板
金山城ハイキングコース案内板

まずは南西、木曽川の下流方向に歩くと左側の角にあるのが西念寺。ここも森家に関係した寺院のようです。数度の火災にあい、創建当時の建物は残っていません。

西念寺
西念寺

続いて、すぐ近くの常照寺。ここは森蘭丸の母で、金山城主で織田信長の家臣であった森可成の妻、妙向尼ゆかりの寺院。妙向尼の墓石もあります。

常照寺山門
常照寺山門
妙向尼の墓石(左)
妙向尼の墓石(左)

常照寺からしばらく歩くとあるのが小関の清水。古くから有名な名水だとか。小関の清水の由緒はこちらを参照してください。小関の清水は写真奥のようですが、中には立ち入りできません。

小関の清水
小関の清水

続いて訪れるのは、森家の菩提寺、可成寺(かじょうじ)です。可成寺は、織田信長の家臣で1571年に合戦で討ち死にした金山城主、森可成(よしなり)の菩提を弔うために、可成の子の森家第二代、森長可(ながよし)が当初は金山城の東側に建立したものだそうです。森長可は織田信長、豊臣秀吉の二君に仕え、鬼武蔵の異名を持っていましたが、1584年の小牧・長久手の戦いで戦死しました。その跡継ぎの森忠正が1600年に川中島に転封となり、その折に寺が現在地に移転したそうです。

可成寺山門
可成寺山門

可成寺の建物の多くは、江戸時代に森家子孫の大名家からの寄進で建てられたものだそうです。

可成寺本堂
可成寺本堂

可成寺には森可成を始めとする、森家代々の墓石・供養塔が安置されています。写真は左から森坊丸、森蘭丸、森力丸の供養塔。森可成の四男、三男、五男で、いずれも本能寺の変で討ち死にしました。

森蘭丸の供養塔
森蘭丸の供養塔

この先の史跡としては兼山湊跡がありますが、取材の日は午後遅かったので、可成寺のあとすぐに金山城へ向かいました。

金山城の登城口は、常照寺のある角を南に曲がり、切通しの道を登った先です。ここに来て初めて知りましたが、この登山道は中部北陸自然歩道の一部でした。ちなみに金山城のある山は古城山といいます。

美濃金山城登り口
美濃金山城登り口

しばらく登ると駐車場のある出丸址。西方向(明智方面)の視界が開けています。

金山城出丸址
金山城出丸址

出丸から先は、整備された山道になります。三の丸門跡を過ぎると、石垣の跡が。意図的に壊された形跡があるそうです。

金山城三の丸の石垣
金山城三の丸の石垣

古城山払い下げ記念碑という石碑を通過して、桝形を通り、しばらく登ると本丸です。算木積みになった天守台の下の石垣の角が残っています。

金山城天守台西南隅石
金山城天守台西南隅石

そこから一登りすれば本丸跡です。本丸跡からは兼山の城下や木曽川、さらに北側の山々が眺められます。

金山城本丸からの眺望
金山城本丸からの眺望

本丸からは、登って来た道ではなく、東側へと続く道をたどります。登ってきたのは大手道、こちらは搦手道です。気持ちの良い樹林の中、整備された道を下っていきます。

美濃金山城搦手道
美濃金山城搦手道

下りきったところには大きな石垣が。ここの石垣が金山城では最もよく残っているものだそうですが、米蔵の跡だと伝えられています。城内のほとんどの石垣は廃城の時に壊されていますが、ここは軍事施設ではなかったので残されたのでしょうか。

美濃金山城米蔵跡の石垣
美濃金山城米蔵跡の石垣

ここからは、廃線となった名鉄の跡を通り、車道に出たら、起点となった元兼山町役場前バス停や戦国山城ミュージアムはすぐです。

集合場所

公共の交通機関を使う場合は、名鉄明智駅が起点となります。明智駅からバスを使うのが良いです。

行程とコースタイム

このコースはゆっくり周って3時間かかりません。途中若干の山道があります。

昼食

周辺にはあまり飲食店がありませんから、弁当持参がお勧めです。金山城には何カ所かにベンチとテーブルが置かれています。

トイレ

起点となる可児市観光交流館と、金山城の登り口にトイレがあります。

持ち物と服装

街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。

ハイキング適期

年中訪れることができますが、夏の暑い時期と降雪がある時は避けるほうが良いでしょう。

近隣の見どころ

名鉄明智駅からは、明智光秀の生地である明智城を訪れることができます。兼山からバスでさらに木曽川を上流に向かうと、木曽川の水運の中心となっていた八百津の町があります。栗のシーズンには栗きんとんや、他の栗商品が多く、楽しめます。

コメント

“森蘭丸ゆかりの美濃金山城(ハイキング・コース)” への2件のフィードバック

  1. […] このコースは7㎞弱と短いですから、他のコースと組み合わせることをお勧めします。明智駅からだと、明智城を通って可児駅へと向かうコース。あるいは伏見宿から大田宿へと向かうコースと組み合わせることができます。また少し離れますが、美濃金山城もお勧めです。 […]

  2. […] このコースは7㎞弱と短いですから、他のコースと組み合わせることをお勧めします。明智駅からだと、明智城を通って可児駅へと向かうコース。あるいは伏見宿から大田宿へと向かうコースと組み合わせることができます。また少し離れますが、美濃金山城もお勧めです。 […]