石田三成の居城 佐和山城(ハイキング・コース)

評価 :4/5。

若干歩く距離が短いものの(彦根駅から3時間あれば十分)、佐和山直下東山地域の寺社を訪ねることもできますし、石田三成の居城佐和山城の遺跡も興味深いです。


彦根駅を起点に、駅の北東方向に見える佐和山に登るハイキング・コースです。

彦根駅からの佐和山
彦根駅からの佐和山

石田三成の居城として有名な佐和山城は、元々は近江の守護職、佐々木定綱の六男の佐保時綱が最初に佐和山に砦を築いたと言われています。佐々木氏は宇田源氏の血を引く一族で、源平合戦で手柄を立てて以降、近江を中心に繁栄し、後に近江を二分する六角氏京極氏も佐々木氏から出たもののようです。佐和山城はその後六角氏が支配するところとなりましたが、戦国時代の終盤に北近江で浅井氏が台頭してくると、浅井氏の支配下となり、配下の磯野員吉が城主となりました。その後、織田信長による攻撃を受けて1571年に降伏。家臣の丹羽長秀が入りました。

コースの見どころ

彦根駅からは東側に出るよりも、西側に出るほうが近いようです。彦根駅の西口を出たらすぐに右折し、JR線に近い道、その名も佐和山通りを歩いていきます。城北通り(県道518号線)の高架下を通ってしばらく進むと、右手に線路を跨ぐ跨線橋が見えてきます。学校の通学路でもないところになぜ跨線橋が…と思って取りあえず渡ってみると…渡った先は木立の中の石段。「跨線橋の先が石段???」と思って進むと、現れたのは仙琳寺の朽ちかけた楼門。仙琳寺も井伊家ゆかりの寺院ですが、ほとんど放置され、忘れられようとしている様子。どうやら線路で分断された参道の代わりに跨線橋が設けられたのでしょう。渡る人はほとんどいないようですが。

仙琳寺山門
仙琳寺山門

仙琳寺を抜けると、車道に出ますので左折、石田三成屋敷跡の石標を見てしばらく進むと清凉寺。ちなみに仙琳寺のあたりには石田三成の茶室があったとか。

井伊家の菩提寺で、初代彦根藩主の井伊直政の墓もここにあります。関ケ原の合戦で活躍した人ですね。井伊家の墓所は国指定史跡です。幕末の井伊直弼も清凉寺で座禅修行をしていたことがあるそうです。石田三成の時代には、重臣の島左近の屋敷などがこの地にあったそうです。

清凉寺の井伊家墓所
清凉寺の井伊家墓所

清凉寺の隣にあるのは龍潭寺。龍潭寺も井伊家ゆかりの寺院で、安政の大獄や桜田門外の変で有名な、大老井伊直弼の母の墓もここにあるとか。龍潭寺は庭園や襖絵が面白いところですから、時間があれば見学すると良いでしょう。龍潭寺の先には大洞弁財天もあります。こちらも時間があれば見学したいところ。

さて佐和山への登山道は、龍潭寺の山門をくぐってそのまま真っすぐ進み、境内の大洞観音堂の右側から墓地を抜けて続いています。

龍潭寺山門
龍潭寺山門

墓地の奥から結構急な登りが始まりますが、よく整備されています。ちなみにここは佐和山を越える道として、昔から利用されていたようです。

龍潭寺奥の佐和山登り口
龍潭寺奥の佐和山登り口

やがて道は尾根に登りつき、峠のようなところに出ます。左からの道は大洞弁財天からの道。向こう側は中山道鳥居本宿に抜ける道。佐和山からの下りに鳥居本宿を訪ねるのも一興ですね。そして右側が佐和山城跡へと続く道です。ちなみに、この峠の部分も佐和山城の堀切だとか。

右折してしばらく急な登りを続けると平坦地に出て、地面に大きなくぼ地があります。ここが二の丸の下の段。くぼ地の用途はわからないそうです。よく見ると、その先の登山道は土塁の上を通っているようです。

佐和山城二の丸の土塁
佐和山城二の丸の土塁

明らかに人為的な急登と平坦地を繰り返すと、広々とした本丸跡。ここには天守閣もあったとか。ベンチが置いてあり、彦根や琵琶湖方面の眺めは絶景です。彦根城もよく見えます。

佐和山城本丸跡からの眺め
佐和山城本丸跡からの眺め

元来た道を引き返すのも芸がないので、本丸跡から南下する道を選びます。本丸直下にはごくわずかに天守閣のものと思われる石垣の痕跡が。

佐和山城天守閣石垣
佐和山城天守閣石垣

そしてその少し下には千貫井戸と呼ばれる水場。千貫の価値があるという意味だそうですが、こんな高いところで水が湧いているのが不思議です。

千貫井戸
千貫井戸

更に下ると、道は尾根を外れ竹林に。下界はもうすぐそこです。

佐和山の竹林
佐和山の竹林

飛び出したところの正面には、何とも不可思議な風景が。怪しげな城や五重の塔。これはほとんど使用されることなく閉鎖された佐和山遊園という、佐和山城や石田三成ゆかりの建物を再現したテーマパークの跡だとか。これはこれで既に遺跡ですね。

佐和山遊園
佐和山遊園

駅へ向かおうとすると、子守堂坂下地蔵尊とか、善行寺如来という小さなお堂が連続。何らかの民間信仰の地だったのでしょうか。

子守堂坂下地蔵尊
子守堂坂下地蔵尊
善行寺如来
善行寺如来

この後、線路を天井の低い地下道などで渡り、彦根駅の西口に出ました。東口に行くほうが近いかもしれませんが、西口には食べるところがありますから。

集合場所

JR彦根駅東口が集合場所、出発点になります。

行程とコースタイム

このコースはJR彦根駅から歩き始め、歩き通せば2時間ほどです。佐和山に登る時は山道になります。

昼食

彦根駅の東側には飲食店がほとんどありません。早めに出発して、駅の西側でランチを取ることがお勧めです。

トイレ

彦根駅の改札内トイレは洋式でお勧めです。道中は東山公園と龍潭寺の駐車場に公衆トイレがあります。佐和山から降りた直後の子守堂坂下地蔵尊にもトイレがありますが、かなり古めの和式のようです。

持ち物と服装

軽装で大丈夫ですが山歩きができる服装が良いです。靴は軽登山靴かトレッキングシューズを勧めます。

ハイキング適期

年中訪れることができます。

近隣の見どころ

下山してから天寧寺の五百羅漢像を見学に行けます。往復と見学で1時間くらいプラスです。

彦根城や庭園玄宮園の見学も良いでしょう。

Post Author: ガイドマスター