仁和寺は、歴史や古い建物などに興味がある方ならじっくりと時間を取りたい場所です。仁和寺は宇多天皇の代、西暦888年の創建で、現在は真言宗御室派の総本山です。宇多天皇は退位して宇多法皇となり、出家して仁和寺に入りました。宇多天皇に重用された菅原道真は、大宰府に赴任する前に宇多法皇にあいさつのため、仁和寺を訪れたそうです。
仁和寺は応仁の乱などで焼けたため、多くの建物は江戸時代の建立です。仁和寺の公式サイトはこちら。
まず出迎えてくれるのは二王門。仁王ではなく、二王と書きます。仁和寺の二王門は三代将軍徳川家光の寄進で江戸時代初期に建てられたもので、重要文化財です。
二王門を抜けた後、拝観料を払いますが、仁和寺は三ヵ所に分かれていて、券が別になっています。通し券がお勧めです。
まず境内向かって左側にある宸殿。このあたりは仁和寺御殿と呼ばれ、平安時代の寝殿を思わせる一角になっていますが、再建整備されたのは明治・大正の頃のようです。
御殿を出たら、ここから仁和寺の重要文化財・国宝の建築物めぐりです。まずは中門(重要文化財)をくぐって境内へ入ると左手に御室桜があります。ソメイヨシノよりも開花が遅いそうで、取材時には花をつけていませんでした。
観音堂は重要文化財。内部は通常非公開です。
御影堂は重要文化財で、内部には弘法大師像、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像が安置されています。御影堂は、江戸時代に皇居の清涼殿の一部が移築されたものです。
水掛不動尊は、不動明王像に水をかけて願をかける場だとか。
鐘楼は重要文化財。寺院の鐘楼が朱塗りになっているのは珍しいですね。
金堂は国宝。仁和寺の本尊、阿弥陀三尊が安置されています。江戸時代に御所の紫宸殿を移築したものです。道理でデザインが平安ぽいですね。
経蔵は重要文化財。内部には八面体の回転式書架(輪蔵)があるそうです。
九所明神は重要文化財。本殿には八幡三神、東側の左殿には上賀茂・下賀茂・日吉・武答・稲荷、西側の右殿には松尾・平野・小日吉・木野嶋の計九座の明神が祀られています。
五重塔は重要文化財。1644年の建立です。
もう一つ、仁和寺の見どころは霊宝館です。仁和寺には国宝12件、重要文化財47件、古文書類をあわせると数万件の文化財があるそうです。霊宝館には所蔵品がテーマを変えて展示されています。内部は撮影禁止なので写真はありません。
仁和寺周辺には飲食店が多くあります。取材の時にはそば沙門でお蕎麦をいただき、いっぷく茶屋でお茶をしました。
仁和寺から京福電鉄の妙心寺駅方面に向かい、そのまま妙心寺北総門から妙心寺に入ります。
妙心寺は、全国にある臨済宗妙心寺派の総本山です(公式サイトはこちら)。寺域には妙心寺を中心に塔頭が立ち並び、あまりの広大さにびっくりしました。
塔頭の中には重要文化財などがあるところも数多いようです。
塔頭にはちょっとした庭園も造られていて周囲は緑も多く、別世界に迷い込んだようです。
塔頭が両側に立ち並ぶ石畳の道を歩いて行くと、妙心寺の中心に到達します。ここでは法堂や大庫裏、大方丈などの見学ができます。ここには国宝の梵鐘もありますが、見逃したくないのは法堂の天井に絵が描かれた雲龍図です。雲龍図は撮影禁止なので、妙心寺のパンフレットを撮影しました。雲龍図は江戸時代の絵師、狩野探幽が55歳の時に描いたものだそうで、大迫力です。
大方丈や大庫裏は「大」と付くだけあって、規模の大きさに驚きます。
妙心寺仏殿の近くにある塔頭の一つに、退蔵院があります。退蔵院は塔頭の一つですが独立したホームページを持っています。退蔵院には国宝の「瓢鮎図(ひょうねんず)」、史跡名勝・枯山水庭園「元信の庭」、池泉回遊式庭園「余香苑(よこうえん)」があります。瓢鮎図は残念ながら非公開で、模写されたものしか見ることができませんが、お庭が素敵ですから、ぜひ訪れてみましょう。
妙心寺でもう一つ訪ねたい塔頭は、桂春院です。1598年に織田信長の嫡男織田信忠の次男である津田秀則が見性院として創建しました。方丈の襖絵は狩野山雪によるものです。茶室の既白庵(きはくあん)は、かつて長浜城にあったものを書院とともに移築したものです。庭は「侘」「清浄」「思惟」「真如」の4つがあり、国の名勝史跡に指定されています。
妙心寺からは京福電鉄の妙心寺駅、龍安寺駅、等持院駅、そして山陰本線の花園駅などへ出ることができます。
近隣の見どころ
このコースは金閣寺から龍安寺へと歩くコースと組み合わせると、ちょうど連続した1日コースになります。
妙心寺から南に出て20分ほど歩くと、広隆寺に出ることができます。
コメント
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