美濃津屋から養老までの伊勢街道(ウォーキング・コース)

評価 :4/5。

道中には観光客が来るようなところも皆無ですが、伊勢街道の歴史と、養老山麓の風土を感じながらゆっくり歩くことができます。


養老以南の養老山脈沿いには養老鉄道の駅が点在しており、一駅二駅ごとに歩くことが可能です。このハイキング。コースは養老駅と美濃津屋駅の間を歩く、6.5kmくらいのコースです。

コースの見どころ

無人駅の美濃津屋駅から歩き始めてすぐに伊勢街道。このコースは左に向かい、養老を目指します。

まず出迎えてくれるのが、伊勢街道沿いには多い大神宮常夜灯。江戸時代、伊勢街道沿いの各村々にはこのような常夜灯があった宋です。これは津屋村の常夜灯で、自然石を活かしたタイプの常夜灯です。この常夜灯がある角を東に降りていくとヒガンバナで有名な津屋川の堤防に出ます。

津屋大神宮常夜灯
津屋大神宮常夜灯

大神宮常夜灯から歩いてすぐの左側にあるのが本慶寺です。

本慶寺本堂
本慶寺本堂

本慶寺は江戸時代の初期1603年の建立ですが、寺院ができる前にはここに津屋城がありました。津屋城は現在の岐阜県海津市にあった高須城(1万石)の高木盛兼の一族、高木八郎左衛門正家の居城でした。高木氏は関ケ原の合戦で西軍に付いたため、合戦後に改易となって没落し、津屋城もそのまま廃城となりました。その後にできたのが本慶寺です。

津屋城跡の碑と本慶寺
津屋城跡の碑と本慶寺

本慶寺の参道前の道を東に入るとすぐに細い道に出ます。この細い道、かつてはこちらが街道だったような気配もします。

細道を左折してしばらく行くと清水池ハリヨ生息地。天然記念物のハリヨが、養老山地からの伏流水が湧く池に多数生息しています。

天然記念物ハリヨ

元の道に戻ってしばらく先に進むと左側に福聚山慈眼寺。慈眼寺は浄土宗の寺院という以上は資料がなく詳細はわかりません。境内を覗くとちょっと荒れた印象です。

慈眼寺
慈眼寺

慈眼寺の山門の正面を見てみると、参道のような道が先に続いています。その先、ハリヨを見る時に通った細い道に突き当たるところには「善光寺分身如来」と彫られた石が置いてありました。浄土宗である慈眼寺に、浄土信仰に結びついた善光寺の阿弥陀如来の分身を祀ったものと思われますが、確認はしていません。

善光寺分身如来
善光寺分身如来

このような標識が置かれるのは通常幹線道沿いですから、どうもこの細い道が旧街道のような気がします。そこでこの細い道を歩いていくと、村社諏訪神社。諏訪神社は日本各地にありますから、特別なことはないように思えますが、諏訪神社の横には石の道標が。左ヨウロウとか書いてありますから、やはりこの道が旧伊勢街道なのでしょうか。

諏訪神社脇の道標
諏訪神社脇の道標

元の道に合流して歩き続けると真宗大谷派の西林寺。西林寺も情報はありません。

西林寺
西林寺

しばらく進むとまたまた大神宮常夜灯。伊勢街道に付き物ですが、でもこの常夜灯には「ご成婚記念」「大正十三年」とあり、昭和天皇の結婚を記念して建てられたもので、江戸時代のものではないようです。

一色の常夜灯
一色の常夜灯

しばらく歩くと今度は臨済宗妙心寺派の観音寺。この寺に関しても詳細情報はわかりませんが、街道の通る東向きではなく、南向きに本堂が作られているのがコース上の他の寺とは違います。境内には庭園がありますが、あまり整備されていません。どこの寺院も古い木造の山門を持っているのが印象的です。

観音寺
観音寺

観音寺から街道を北上していくと目の前にはトンネルが。「こんなところにトンネル?上にあるのは何だ?」と思ったら、これは小倉谷という沢でした。下の写真はトンネルを通った後で見返したもの。

小倉谷のトンネル
小倉谷のトンネル

少し下流にある旧道洗い越しを通れば、谷の状況を見ることができます。ちなみに涸れ谷でした。八幡神社の入り口もこの旧道を向いていますから、この辺りも街道の位置が変わっているのかもしれません。なお、小倉谷はこの少し支流で津屋川を高架で超えていますから、自然の河道ではなく、砂防目的で人為的に嵩上げされているものと思われます。

しばらく上多度の集落を歩くと、白龍大神。怪しげな赤い石が安置されています。地図では小倉谷の上流に白龍大神が祀られているところがあるようですから、その関連でしょうか。川上の白龍大神の手前には赤岩大神という所もあり、さらに奥には赤岩不動明王もありますから、ここに祀られている赤い岩も、その辺りの岩なのかもしれませんね。暴れ川である小倉谷を鎮めるためのものでしょうか。

白龍大神
白龍大神

火の見やぐらや地蔵(馬頭観音?)があるJAにしみの上多度支店の前を通り過ぎ、しばらく進むと左側の民家の脇に「高札場跡」の石標。

上多度 高札場跡
上多度 高札場跡

道は鷲巣の集落に入ります。そこにあったのが「十三代横綱鬼面山谷五郎生誕の地」の碑。養老公園に鬼面山の石像がありますが、生誕地はここだったのですね。

十三代横綱鬼面山谷五郎生誕の地
十三代横綱鬼面山谷五郎生誕の地

ここからは養老鉄道養老駅が近いのですが、寄り道して鷲巣集落内にある白山神社に向かいます。ここにはいくつか面白いものがあります。

まずは白山神社の前に立つ一対の石灯篭。これは鬼面山が三役力士になって故郷に凱旋した折に、寄進したものだそうです。

鬼面山が寄進した灯篭
鬼面山が寄進した灯篭

次は養老町の天然記念物に指定されている覗き仏。史跡ではなく、天然記念物というのが面白いところです。木の根元に石仏が飲み込まれたもの。顔を撮影するのは一苦労です。由緒も書かれていますが、本当に飲み込まれたのか…なんて考えるのは罰当たりですね。

白山神社の覗き仏
白山神社の覗き仏

神社の裏手には木の茂みがありますが、ここに夫婦欅があります。白山神社の祭神は祭神は伊弉冉命(いざなみのみこと)、伊弉諾命(いざなぎのみこと)だそうですから、それになぞらえているのかもしれません。

白山神社の夫婦欅
白山神社の夫婦欅

白山神社を出たら、あとは養老鉄道養老駅へと向かいます。

集合場所

JR彦根駅東口が集合場所、出発点になります。

行程とコースタイム

このコースは養老鉄道美濃津屋駅から歩き始め、見学を含めて2時間強です。あまり起伏もなく、すべて舗装された道を歩きます。

昼食

ルート上にある飲食店は、上多度小学校近くの焼きそば店ふくちゃんのみで、それ以外にはありません。養老駅周辺にも飲食店はありません。

トイレ

駅の外と、道中は途中の寺社数か所にトイレがあります。距離が短いコースですから、駅で済ませておけば多分大丈夫。

持ち物と服装

街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。

ハイキング適期

年中訪れることができますが、夏の暑い時期は避けるほうが良いでしょう。ヒガンバナの頃であれば津屋川堤防を訪れることができますから、お勧めです。

近隣の見どころ

ヒガンバナの季節には津屋川堤防の彼岸花を見落とさないように。養老で時間があれば、養老の滝へどうぞ。

Post Author: ガイドマスター