中山道 鵜沼宿から太田宿(ハイキング・コース)

一部原形をとどめている車道になっていない中山道歩きを楽しめるものの、木曽川沿いに歩くとても長い道のりが変化に乏しい。でも、中山道を歩きとおす人には必要なルート。


中山道が木曽川沿いに通っているあたり、それが鵜沼宿から太田宿までの間の行程です。どちらも岐阜県内で鵜沼宿は各務原市、太田宿は美濃加茂市に属しています。

鵜沼宿は名鉄鵜沼宿駅から徒歩10分ほど。当時の建物はほとんど残っていませんが、電線の地中化などが行われ、かつての雰囲気が復元されてきています。

鵜沼宿から太田宿へは、しばらく車道を歩いたのち、昔ながらの面影を残す山道に入ります。森林の美しい歩いて楽しいところです。しかし、一旦ここを抜けると、岩屋観音堂周辺に古い道が残るだけで、太田宿までは長いひなた歩きが始まります。木曽川の堤を歩くこともできますが、飲食店があるのは国道沿いです。特に炎天下だと辛いところです。

太田宿は鵜沼宿以上に昔ながらの風情を残しています。ゴールのJR美濃太田駅までは鵜沼宿から徒歩10分ほど。

コースの見どころ

鵜沼宿内には脇本陣が再建されており、観光案内所を兼ねています。写真の左側の建物が脇本陣で、石柱は二ノ宮神社の参道。右側は菊川酒造の建物です。

鵜沼宿脇本陣
鵜沼宿脇本陣

鵜沼宿脇本陣のすぐ上にある二ノ宮神社は古墳(二ノ宮神社古墳)の墳丘の上に立てられており、石室の入り口が顔を出しています。二ノ宮神社の拝殿は明治後期のもので登録有形文化財です。

二ノ宮神社と古墳
二ノ宮神社と古墳

うとう峠を越える一帯は、森林公園として整備されていますが、道は往時の中山道の様子をよく留めていて、森林の中のハイキング気分が味わえます。かつてはうとう峠あたりに一里塚がありました。

うとう峠周辺の中山道

森林地帯を抜けて車道をしばらく歩くと、岩屋観音があります。石段を登っていくと、岩窟にお堂が設けられています。ここは木曽川を眺めるのに良い場所です。岩屋観音堂からしばらくは山の斜面にある旧道をたどりますが、すぐに国道に合流します。

岩屋観音堂

この後、長い間車道歩きが続きますが、途中からは木曽川堤防に上って、川を眺めながら歩くこともできます。いずれにしろ、陽を遮るものがないので、夏の炎天下は避けたいです。

太田宿に近づくと、お堂などの施設が増えてきます。太田宿はよく保存され、昔ながらの雰囲気が味わえるところです。この日は写真にある魚徳商店でランチを取りました。

太田宿
太田宿

太田宿には祐泉寺には、槍ヶ岳開山で有名な播隆上人の墓碑があります。播隆上人は太田宿の脇本陣林家で1840年に亡くなったとか。

美濃太田駅から帰路につく前にまちベンチ美濃太田ラボでソフトクリームをぜひどうぞ。

鵜沼宿から太田宿への行程はビデオにまとめてありますのでご覧ください。

https://www.facebook.com/WalkingTourInJapan/videos/1159064951153814

集合場所

名鉄鵜沼宿駅が集合場所、出発点になります。特急はとまりません。コースの終わりはJR高山線美濃太田駅です。

行程とコースタイム

このコースは名鉄鵜沼宿駅から歩き始め、歩行時間だけで3時間ほどです。暑い時期にはもう少し見たほうが良いでしょう。

鵜沼宿を出てしばらくは車道を歩きます。公園に入ると石畳や土の道で、周囲は気持ちの良い森林です。そこから先が長い国道歩きになります。途中で嫌になったら、JR高山線の坂祝駅(さかほぎえき)までとするのも良いでしょう。

昼食

鵜沼宿と太田宿には飲食店があります。木曽川沿いの国道にあるレストランは軒並み閉店していてあてにできません。

太田宿には太田宿中山道会館がありますが、レストランの営業は午後2時までなので、遅く到着すると他を探す必要があります。美濃太田駅へ行くまでの間には他の飲食店があります。個人的には中山道沿いにある鮎の甘露煮で有名な魚徳商店がお勧めです。

魚徳のうな丼
魚徳のうな丼

トイレ

鵜沼宿内、うとう峠のある公園内、木曽川沿いの公園、そして太田宿にあります。

持ち物と服装

街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。帽子あるいは日傘は必携です。

ハイキング適期

年中訪れることができますが、長い国道歩きを考えると夏の暑い時期は避けるほうが良いでしょう。それ以外の時期でも曇り空くらいの方が歩きやすいと思います。

近隣の見どころ

各務原市と美濃加茂市の間にある坂祝町の城山に、猿啄城跡があります。ここから山を歩いて迫間不動尊へ出ることもできます。また坂祝町内の火塚古墳や江戸時代に作られた酒倉庚申像・取組庚申像などを訪ねるのも、ちょっと遠回りになりますが良いかもしれません。