永保寺の庭園と国宝の建物は圧巻。修道院とのコントラスト、そして陶器のお店が集まる通りや、昭和の商店街など、いろいろな様子が詰まっていて楽しめます。本町オリベストリートあたりでランチをとるスケジュールを組むと、ランチの選択肢も多く取れます。
多治見を始めとする東濃地域は、古くから陶器の産地として有名です。このコースでは、国宝の建物を有する虎渓山永保寺に加え、陶器の店が並ぶ本町オリベストリート、そして珍しいカソリックの神言会多治見修道院を訪ねます。
コースの見どころ
このコースは右回り、左回りどちらでも良いですが、取材の日はJR多治見駅の北口を出て右回りで回りました。
駅から虎渓山永保寺までは30分ほどひたすら車道歩きです。道中にはさほどの見ものもありませんから、JR多治見駅北口から出ている東鉄バス小名田線で虎渓山バス停まで行くか(時刻表はこちら)、あるいはタクシーでも良いかと思います。
永保寺を訪れる前に寄りたいのが古民家カフェはおと。基本的に日本茶を中心として、夏にはかき氷、秋には栗ぜんざいなど、季節の和菓子やスイーツなどが提供されています。和食モーニングもあります。
永保寺には複数の参道がありますが、このコースでは北側から入ります。「虎渓山永保寺」と書かれた石柱に導かれ、JR中央本線の踏切を超えると一挙に参道ぽくなります。
この参道は保寿院、徳林院、続芳院という三つの永保寺塔頭の間を抜けていきます。
そして道はいきなり永保寺にある国宝観音堂の横に飛び出します。永保寺は1313年に夢窓疎石(夢窓国師)が開いた寺で、観音堂はその後、室町初期に建てられたものです。
観音堂の周りはいわゆる永保寺庭園で、国の史跡です。ここは圧倒的に紅葉の頃がお勧めです。
永保寺境内には樹齢700年以上と言われる大イチョウもあります。永保寺の境内をぐるっと見渡すとこんな感じ。
虎渓山永保寺のもう一つの国宝の建物、開山堂はちょっとわかりにくい位置にあります。観音堂を右手に見ながら池を周り込み、その更に少し奥に行ったところにあります。開山堂は夢窓疎石の死後に足利尊氏が建立したと言われています。
永保寺を堪能したら、西参道を通って永保寺を後にします。西参道は石畳のある古い参道です。参道脇には点々と石仏が置かれています。四国八十八ヶ所霊場になっているようです。と言うことは臨済宗の永保寺とは直接関係のない石像だということでしょうか。
ほとんどが樹下で暗い西参道を抜けて出たところが虎渓公園。売店やトイレ、展望台などがあります。桜の名所だとか。写真中央の観音像は戦没者慰霊のためのものだとか。
公園のある台地の端のほうにあるのが虎渓山1号古墳。虎渓山周辺にはいくつか古墳がありますが、道から容易にアクセスができるのが虎渓山1号古墳です。太刀なども出土したそうですから、結構位の高い人が葬られたのかもしれませんね。
公園の樹林帯を縫う車道を通って坂を下り、平地に出たあたりにあるのが神言会多治見修道院。カソリックの修道院で、先ほどまでいた永保寺の純和風とは一変して、いきなりヨーロッパに来たような景色が広がります。
礼拝堂の中を見学したり、売店でクッキーやワインを購入したりできます。
修道院を後にして多治見の町に戻ると、やがて川を渡ります。これは永保寺の横を流れている土岐川。永保寺のあたりは山の清流に見えますが、ここだとかなり下流の雰囲気。写真左側の奥には大正時代に建てられた登録文化財の上山家住宅がありますが、公開されていないようです。
橋を渡ると、「下街道」(したかいどう)の案内が。下街道は、江戸時代に名古屋と木曽の中山道を繋いだ街道の一つです。恵那市のあたりから多治見の中心を抜けていっています。ちなみに木曽街道が上街道と呼ばれていたそうです。
しばらく歩くと本町オリベストリート。名前から想像できるように陶器製品を売るお店が集中している地域です。詳しくは本町オリベストリートの公式ホームページをどうぞ。散策用の地図もあります。販売されている作品は、意外にお隣の土岐市の作家さんのものが多いようです。
本町オリベストリート周辺には飲食店も多くあるので、おなかが空いた場合はどうぞ。本町オリベストリートのおすすめ飲食店はこちらに掲載してあります。
人気の蕎麦屋さん井ざわに入ってみました。一度お邪魔したときは満席で、2回目の取材で入ることができました。評判通りおいしかったです。南インド料理のタネヲマクも気になっていたのですが、取材の時はお休みでした。
オリベストリート界隈には和菓子屋さんもあります。最初に寄ったのが菓匠庵 やまよね。季節限定の栗おはぎなどを購入しました。
さらにもう一軒。梅園菓子舗(うめぞのかしほ) 本店へ。近くにある銀座通り商店街は完全なシャッター街で、誰も歩いていません。梅園菓子舗のお勧めは、日本経済新聞社の全国どら焼きランキングで6位になったどら焼きです。こんな小さな店構えのお店のどら焼きを、誰がどうやって見つけたのでしょうか。
ここから駅に向かう途中にあるのは、ながせ通り商店街。昭和をほうふつとさせる趣のある商店街です。
ながせ通り商店街を抜ければ、JR多治見駅です。
集合場所
JR多治見駅北口が集合場所、出発点になります。
行程とコースタイム
このコースはJR多治見駅から歩き始め、見学を含めて4時間ほどです。
昼食
多治見駅周辺には数多くの飲食店があります。永保寺の周辺には飲食店は限られていますので、タイミング的に町中でお昼になるような行程を組むと良いです。
トイレ
多治見駅、永保寺、修道院などにあります。
持ち物と服装
街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。
ハイキング適期
年中訪れることができますが、夏の暑い時期と降雪がある時は避けるほうが良いでしょう。特に多治見は夏の暑さで有名ですから、盛夏は避けるべきです。
秋の紅葉がベストです。途中の虎渓公園は桜で有名だそうです。
コメント
“多治見 虎渓山永保寺、修道院と本町オリベストリート(ハイキング・コース)” への1件のコメント
[…] JRで比較的近い定光寺や多治見に行くことができます。ただ、他のハイキングコースと組み合わせるのは時間的に少々無理があります。 […]