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岐阜県関市下之保の山中にある高澤観音は、正式名称を大日山日龍峯寺といい、高澤観音として広く知られています。岐阜県で最古の寺院とも言われ、美濃西国三十三ヶ所一番札所の観音霊場になっています。本尊は千手観音菩薩です。
高澤観音で特徴的なのは、入母屋造り桧皮葺の本堂で、岩壁の前に立ち、一見すると懸崖造り(懸け造り)になっており、京都清水寺のような舞台づくりで、美濃清水の別名もあります。一見の価値ある建物です。北条雅子が寄進した本堂は応仁の乱で焼け、現在の本堂は1670年建立。
本堂の右には籠堂があり、やはり岐阜県の重要文化財です。1806年の建立。
高澤観音の本堂は、珍しい建築物ですが、岐阜県の重要文化財で、国の文化財には指定されていません。一方で、境内にある多宝塔は、国指定重要文化財です。北条政子の時に、夢でのお告げに従って雨乞いをしたところ効果があり、そのお礼に鎌倉幕府が寄進したと伝えられます。美濃には定光寺や永保寺のような鎌倉時代の建物がある古寺が他にもありますが、どうも美濃の豪族土岐氏と鎌倉幕府の繋がりが強かったのではないでしょうか。
また、高澤観音には両面宿儺(りょうめんすくな)の伝承があります。『呪術廻戦』にも登場する両面宿儺ですが、日本書紀では八本の手足に頭の前後両面に顔を持つ賊とされていますが、高澤観音では龍を退治する英雄として伝えられています。高澤観音の両面宿儺の伝説はこちら。両面宿儺の像の写真もあります。通常両面宿儺像の御開帳は年に一度、十一月の第三日曜日だけです。
仁王門は1718年の建立です。
仁王門の天井画はなかなか面白いです。
高澤観音仁王門の仁王像は痛みが激しいです。
本堂の上にある白山鎮守社は室町末期1534年のもの。
この他にも薬師堂、不動堂、金毘羅堂や、本堂裏のみたらしの霊水、美濃方面からの旧参道である高澤古道など、見どころが多い寺院です。
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