岐阜県関市、保津川沿いの下之保地区にある道の駅平成を起点とした短いハイキング・コースです。道の駅に看板があったので歩いてみました。観光スポットは皆無ですが、地区の歴史と風土に少し触れることができます。
ゆっくり歩いて1時間ほどのコースです。若宮神社の本殿までは少し山道になりますが、それ以外はすべて舗装道路です。
コースの見どころ
このコースの起点は道の駅平成(へいせい)です。ここは元々武儀町下之保大字大門字平成(へなり)地区でしたが、平成時代に合わせて、道の駅の名前を平成(へいせい)として話題になりました。令和の今となっては古い話になってしまいましたが。
道の駅平成を起点とするハイキング・コースは、地元の人が設定したようで、道の駅に案内の看板が立っているものの、実際に歩く人はほぼ皆無のようです。特に観光地的なものは道中全くありませんから無理ないですね。
ハイキング・コースは道の駅平成の前を通る県道63号線を、津保川に沿って上流へ向かいます。道の駅のすぐ前の川沿いには遊歩道が設けられていますが、これは短い距離だけで、すぐ県道に沿って歩くことになります。
津保川にかかる橋を渡って集落の方へ向かいます。美しい田園風景。
小さな集落を抜けて山沿いの樹林帯を縫う道を進むと八幡神社(若宮神社)。鳥居は道沿いにあります。八幡神社ですから祭神は品陀和気命(応神天皇)ですが、若宮神社という名称もありますから、その子仁徳天皇も一緒に祀られているのでしょう。
本殿まで行ってみようと石段を登ると、すぐに山道に。本殿まで石段かと思ったら本殿までは山道を登って10分ほどかかりました。
下之保の八幡神社の由来は明確ではありませんが、こちら岐阜神社庁のサイトによると以下のようになっています。
「創祀未詳。天正年間、金森長近、尾張より高山へ赴任の際、丹羽長秀の縁者をこの地に住まはせ、高山尾張の往来の時の宿とした。その丹羽氏、石清水八幡より勧請創建す。」
金森長近は織田 信長の家臣で、美濃を治めていた土岐氏の一族とされています。高山尾張の往来の際の宿、ということは、かつて津保川沿いに高山へと続く街道があったのでしょうか。
八幡神社から下り、さらにハイキングコースを進みます。美しい竹林などを抜けて歩きます。他には車も人も通っていません。
竹林を抜けた先にあるのが「弘法様の目薬」と呼ばれる湧水です。昔、弘法大師がここを通りかかった時に、麦の穂先で目をつき、両目を腫らしてしまいました。ところが、弘法様がここの水で目を洗うと…あら不思議、目の痛みは治ってしまいました。という昔話があるそうです。話の真偽はともかく、この辺りを古くから道が通っていたことは確かのようですね。
弘法様の目薬からしばらく歩くと、右に津保川にかかる橋が見えてきます。その橋を渡ってすぐのところにあるのが南宮神社。美濃一宮の南宮大社と関係があるのでしょうか。詳細は不明な神社ですが、木彫りの狛犬がユニークです。
南宮神社からは集落を抜ける道を通って、道の駅平成はすぐです。
集合場所
道の駅平成が集合場所、出発点になります。
行程とコースタイム
このコースは道の駅平成に駐車し、ぐるりと一周歩いて来るルートです。距離は2㎞強で、ゆっくり歩いて1時間で周ることができます。
昼食
道の駅平成にはレストランや蕎麦屋、手打ちそば味の水車小屋があります。また少し南に下ったところには鰻で有名な丸登屋があります。
トイレ
道の駅平成にあります。ルート上にトイレはありません。
持ち物と服装
街歩きの服装で大丈夫です。若宮神社への登りに山道がありますが、短距離ですから靴はスニーカーで大丈夫です。
ハイキング適期
年中訪れることができます。
近隣の見どころ
鎌倉時代創建の高澤観音へぜひどうぞ。