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彦根、佐和山の麓の東山地区にある仙琳寺は訪れる人もあまりない静かな寺…どころか、見た感じ廃寺寸前の印象です。彦根駅の方から米原方面に向かってJR線沿いに歩いて来ると、線路を跨ぐ歩行者用の跨線橋があります。この跨線橋を進むと、その先は道路ではなく、いきなり石段。そしてその先には古めかしい仙琳寺の楼門が。これはちょっとびっくりのシーンです。
仙琳寺は井伊家第四代井伊直興の庶子である本空を開基とする天台宗の寺院です。仙琳寺と井伊家との関係は深く、幕末の井伊直弼もここ仙琳寺で茶会を開いたりしていたようです。仙琳寺の創建は1695年頃で、仙琳寺ができる以前はこの地に愛宕社があったとされています。仙琳寺の本尊は阿弥陀如来坐像で、平安時代末期から鎌倉時代のものだそうです。仙琳寺ができたのが江戸時代だとすると、本尊はどこから持ってきたのでしょうか?
仙琳寺の由緒を書いた札ですが、清凉寺や龍潭寺など、同じく井伊家の庇護を受けた近隣の他の寺院のものと比べると、非常にわびしいです。
仙琳寺の荒れた境内社。趣があると言うか、わびしいと思うか。
仙琳寺の楼門を横から見ると漆喰壁が…。
また石田三成の屋敷跡が近く、仙琳寺の辺りに三成の茶室があったとされていて、当時の井戸もあるとか。仙琳寺楼門の左側には領民が石田三成を慕って作ったとされる石田地蔵があるそうで、標識も出ていたのですが見つけられませんでした。すべては藪の中へ…という印象。
仙琳寺の由緒に関してはこちらのサイトが詳しいです。滋賀彦根新聞の記事には隠れた名所とあります。さらに彦根城博物館は仙琳寺の歴史と美術というガイドブックを出していますから、それなりの文化財もあったようです。
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