名鉄古見駅を起点に、知多四国八十八ヶ所霊場の七十二番から八十一番までの札所、通称十弘法(とこうぼう)と、知多木綿の中心地だった知多岡田の古い街並みを訪ねるハイキング・コースです。岡田にはクラフトビールを作っている古民家レストラン、OKD KOMINKA BREWINGがあります。
取材の日には七十八番札所の福生寺をうっかり飛ばして先に進んでしまい、後で立ち寄る羽目になりました。地図は取材時のものになっています。十弘法の参拝マップはこちらでダウンロードできます。
梅や桜の花のころには、信濃川に沿った佐布里パークロードを歩くと、花がきれいだそうです。
知多四国八十八ヶ所霊場の内、十寺を一挙に回るので、御朱印を集められている方にはお勧めのコースです。
その一方で、佐布里五箇寺と寺本駅周辺の寺院等の間に距離があり、その間には特段の見どころもないのでひたすら長い距離を歩くことになります。周辺の丘陵地帯は宅地開発が進んでいて、楽しい道ではありません。
コースの見どころ
妙楽寺
名鉄古見駅からすぐのところに妙楽寺があります。知多四国八十八ヶ所霊場第七十九番札所です。順番では79番ですが、知多四国霊場の始まりは、この妙楽寺の第13世亮山阿闍梨が1809年に夢枕で弘法大師(空海)のお告げを聞いた時です。
境内に入るとすぐに亮山和尚の像があります。
福生寺は第七十八番札所。周囲より少し小高いところにありますが、現在は大きな車道が目の前にできて、ココイチがあるなど、周囲は開けてしまっています。
少し山越えのような感じで車道を歩き、古い街並みで有名な岡田に入ると、慈雲寺があります。第七十二番札所です。慈雲寺の創建は1350年で、足利尊氏の側近だった一色氏五代当主の一色範光が開基しています。一色範光は当時大野城を居城としていたようで、一色範光の墓も慈雲寺の境内にあります。秘仏の本尊は千手観音像で、観音堂に祀られています。1660年再建の観音堂は、岡田地区では最古の建造物だそうです。
知多岡田の古い街並み
慈雲寺の山門を出ると、そこは岡田の古い街並みです。知多木綿の問屋、竹内宏商店が経営するchitacotton478 知多木綿アンテナショップがありますから、興味のある方は覗いてみると良いでしょう。写真左がアンテナショップ、右奥が慈雲寺です。
知多岡田の街並みは、落ち着いていて、それなりに風情があるものです。でも、知多半島の古い道に入れば結構同じような建物や街並みはありそうな気も…。建物に説明版が付けてあるなど、地元の人たちが力を入れているのはわかりますが。ハイキング・コースの途中で立ち寄るには良いですが、街並み事態で観光客を呼ぶにはもう一工夫、二工夫必要な印象です。
おかき屋辰心は名物岡田かつ丼が有名だそうです。ここはその名の通りおかきやあられを販売する店舗がメインです。竹新製菓という地元の会社が製造販売しています。残念ながらランチには早い時間帯だったので、買い物だけして岡田かつ丼はパスしました。
おかき屋辰心の少し東にあるのが五右衛門地蔵。昔この地で五右衛門という六部(諸国霊場を行脚する僧)が穴を掘って入定した地に建てられた地蔵だとか。伝説ですが。この近くには祭りの山車の倉庫や、阿弥陀堂などもありますから、昔から宗教的には重要な場所だったのでしょう。
しばらく道を東方向へ進み、佐布里(そうり)という地域に入ります。このあたりもかなり宅地開発が進んでいるのですが、その一角に、時が止まったようなところがあり、佐布里五箇寺と呼ばれる寺院群があります。すべてが知多四国八十八ヶ所霊場になっています。
七十七番は真言宗の浄蓮寺。ここの本尊は不動明王です。浄蓮寺の裏山の竹やぶは、かつて空海(弘法大師)が立てた杖から芽が出たものだとか。よくある話ではありますが。
隣にある七十三番は正法院。後鳥羽上皇(当時は天皇)の勅願寺として1184年に開かれたそうです。この地域の無住になっている寺の御朱印はここでいただけるようです。
正法院の境内から石段を登ったところにある小ぶりのお堂が誕生堂。第七十五番札所です。かつて廃仏毀釈の時に廃寺になった泉蔵坊の代わりに、正法院境内に大師像をまつるために建てたものだそうです。
誕生堂の南にあるのが第七十四版札所の密厳寺。本尊は藤原時代の十一面観音で、知多市指定の文化財です。
佐布里五箇寺の中で一番奥にあるのが如意寺。第七十六番札所です。かつては一山九坊を擁した真言宗の古刹であったそうですが、今はどうやら無住のよう。
佐布里五箇寺からはひたすら歩いて、名鉄寺本駅方面へ向かいます。
新興住宅地に囲まれて残るが栖光院(せいこういん)。第八十番札所です。元は真言宗だったのが、1577年に曹洞宗に改宗したとか。山門には仁王像があります。
栖光院からちょっと知多市歴史民俗博物館に立ち寄ります。入館料は無料で、知多の歴史や民俗が学べます。見ものはかつて実際に使われていた地元の木造漁船、打瀬船の実物でしょうか。思ったよりも大きくて驚きました。
知多市歴史民俗博物館から名鉄寺本駅へと向かう途中、常滑街道沿いに龍蔵寺があります。第八十一番札所で、江戸時代初期の1617年の創建。街中にあるためか、十ヵ寺をまわった中で、唯一参拝客を見かけました。
集合場所
名鉄古見駅が集合場所、出発点になります。ゴールは名鉄寺本駅です。
行程とコースタイム
このコースはJ名鉄古見駅から歩き始め、見学・昼食を含めて4時間ほどです。ほぼすべて舗装された道を歩きます。
昼食
コース上にはあまり飲食店はありませんが、近くを通る幹線道路や寺本駅周辺には飲食店が数多くあります。岡田地区にあるおかき屋辰心は、もちろんおかきを売っていますが、カツ丼が有名だとか。同じく岡田にある古民家レストラン範丈亭はOKD KOMINKA BREWINGというブルワリーに併設されていて、人気のようです。
トイレ
道中は途中のお寺や公園に公衆トイレがあります。
持ち物と服装
街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。
ハイキング適期
年中訪れることができますが、夏の暑い時期は避けるほうが良いでしょう。佐布里パークロードを歩くのであれば、梅や桜の花の季節がお勧めです。
コメント
“知多岡田の街並みと十弘法(ハイキング・コース)” への1件のコメント
[…] 知多十弘法と岡田の街並み(ハイキング・コース) 投稿者 tanzan投稿日: 2022/01/102022/12/10カテゴリー まちあるきツアー […]