高蔵寺駅から志段味古墳群と東谷山フルーツパーク(ハイキング・コース)

志段味古墳群を東谷山の頂上の古墳まで含めてぐるりと一周。さらに東谷山フルーツパークにも立ち寄ります。古墳が好きな人ならぜひ訪れるべき。東谷山の山歩きもありますが、その他は市街地を歩く部分が多いです。


総延長10㎞程のハイキング・コースです。古墳群と言っても現在では市街地になっており、かつての丘陵の面影はありません。東谷山への登りは急坂ですが、階段が整備されていて問題ありません。

コースの見どころ

JR高蔵寺駅の南口から歩き始めますが、最初の目的地の勝手塚古墳までは、高蔵寺駅あるいは大曽根駅からバスも利用できます

高蔵寺駅から南に向かってしばらく歩くと庄内川を渡ります。ここまでは市街地の中を歩きますが、庄内川まで来ると対岸には少し緑が混じりますし、東谷山も見えます。

東谷橋から見る東谷山
東谷橋から見る東谷山

橋を渡ったら右折し、勝手社のある勝手塚古墳へ向かいます。勝手塚古墳は志段味古墳群の一部です。

史跡 勝手塚古墳
史跡 勝手塚古墳

勝手塚古墳は周溝が良く残っている帆立貝式古墳で、墳丘は53mありますが、大きな木立に覆われていて全貌は見渡せません。

勝手塚古墳
勝手塚古墳

勝手塚古墳からはしだみ古墳群ミュージアムに向かいます。歩いてすぐです。

しだみ古墳群ミュージアム
しだみ古墳群ミュージアム

しだみ古墳群ミュージアムの展示物を一通り見ると、志段味古墳群の概要を知ることができます。埴輪や須恵器など、発掘品を見ることもできます。

馬の埴輪
馬の埴輪

しだみ古墳群ミュージアムの裏は大塚・大久手古墳群地区で、古墳公園のようになっており、気持ちの良い芝生の中に古墳が点在しています。

西大久手古墳
西大久手古墳

このエリアには西大久手古墳東大久手古墳大塚2号墳大塚3号墳大久手5号墳大久手3号墳大久手4号墳などが散在しています。それぞれの古墳には説明版が添えられていますので、古墳の形式や時代、出土品などを確認することができます。

この地域で最大の古墳は、エリアの東端にある志段味大塚古墳です。志段味大塚古墳は他の古墳とはけた違いに大きな帆立貝式古墳で、築造当時の形が復元されています。

志段味大塚古墳
志段味大塚古墳

志段味大塚古墳を見学したら、白鳥塚古墳へと向かいます。白鳥塚古墳の入り口は東側にあるので、道をぐるっと遠回りしないといけません。

白鳥塚古墳は全長115mもある、志段味古墳群最大の古墳で、前方後円墳です。4世紀前半のものとされていますので、古墳時代でも初期にあたります。このサイズだと写真撮影が大変ですが、下の写真手前が後円部です。

白鳥塚古墳
白鳥塚古墳

白鳥塚古墳からは、東谷山のすそ野のブドウなど果樹園が多いエリアを通って、東谷山フルーツパークへ向かいます。周囲の私有地内にも円墳が点在しているようですが、見学はできません。

東谷山フルーツパークは名古屋市が運営するフルーツに特化した農業公園です。果樹園のエリアは入場無料ですが、熱帯果樹を展示する「世界の熱帯果樹温室」のみ有料になっています。

世界の熱帯果樹温室
世界の熱帯果樹温室

フルーツパーク内にはフルーツパークテラスというレストランがありますので、食事はできますが…グルメな方は避けるほうが良いでしょう(食べログで評判を見る)。

ちなみに東谷山フルーツパーク内には東谷山31号墳という古墳があります。石室の石が残っているだけですが。

東谷山31号墳
東谷山31号墳

東谷山フルーツパークの南口を出るとすぐに東谷山散策路の入り口があります。登山道は部分的に急な階段になっていますが、東谷山の標高198mですので、さほどきつくはありません。ちなみに標高198mは名古屋市の最高峰です。

東谷山散策路
東谷山散策路

登山道の左側には東谷山27号墳がありますが、残っているのは石室だけです。かつてこの辺りには横穴式石室を持つ円墳が50基あったというのですから驚きです。

東谷山27号墳
東谷山27号墳

東谷山27号墳から少し登ると、南社古墳です。4世紀中頃の円墳で、直径は約30mあります。

南社古墳
南社古墳

さらに登り続けると、次にあるのは中社古墳です。中社古墳は4世紀中頃の前方後円墳です。東海地方で最古級の円筒式埴輪がほぼ元の姿を保ったままで出土したそうです。

中社古墳
中社古墳

東谷山の上にあるのが尾張戸神社古墳で、古墳の墳丘の上に尾張戸(おわりべ)神社の本殿が載っています。尾張戸神社古墳は直径27mの円墳で、4世紀前半に作られたと見られています。

尾張戸神社古墳
尾張戸神社古墳

尾張戸神社は延喜式にも名前が出る古い神社で、古代の豪族尾張氏と関係していると思われます。

尾張戸神社
尾張戸神社

尾張戸神社の境内には展望台が立っており、若干木が邪魔になるものの、濃尾平野を眺めることができます。中央を流れるのが庄内川です。

尾張部神社境内展望台からの眺望
尾張戸神社境内展望台からの眺望

尾張戸神社古墳の裏手から下山道が始まります。未舗装ですが、車一台が通れるような道で、尾張戸神社へのアクセス道でしょうか。

尾張戸神社の左側から下ると、すぐに小さなお堂があります。これは現地に案内がまったくありませんが、「甕室明神」と呼ばれるもので、1935年の道路整備の時に中世の甕棺墓が見つかり、それを埋め戻して祀ったものだそうです。中の様子を見ることはできません。

甕室明神
甕室明神

坂を下っていくと、このハイキング・コース最後の訪問地である東谷山白鳥古墳です。東谷山白鳥古墳は小ぶりの円墳ですが、名古屋市内で唯一完全な形で横穴式石室を見ることができる古墳だそうです。

東谷山白鳥古墳の横穴式石室
東谷山白鳥古墳の横穴式石室

東谷山白鳥古墳の見学を終えたら、庄内川を渡ってJR高蔵寺駅へと向かいます。

集合場所

JR中央線高蔵寺駅が集合場所、出発点になります。

行程とコースタイム

このコースはJR高蔵寺駅から歩き始め、見学を含めて4時間ほどです。東谷山を登る時に軽い山歩きがあります。

昼食

志段味古墳群ミュージアムと、東谷山フルーツパークにカフェがあります。それ以外も幹線道路沿いには飲食店がありますので、東谷山の山中を除けばランチには困りません。志多見古墳群ミュージアムの中にもカフェレストランCAFE MORI no UTAがあります。

トイレ

志段味古墳群ミュージアム、東谷山フルーツパークそして東谷山の山頂にある神社脇にトイレがあります。

持ち物と服装

東谷山に登るのであれば、山道用の服が必要です。靴は天気が良ければスニーカーを勧めますが、ぬかるんでいそうな場合はトレッキングシューズが良いでしょう。

ハイキング適期

年中訪れることができますが、車道を歩く時間も長いので、夏の暑い時期は避けるほうが良いでしょう。

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