名古屋鉄道(名鉄)の内海駅から歩き始め、海岸沿いに知多半島を北上、山越えをして野間に出ます。途中、知多四国八十八ヶ所霊場の札所の寺院をいくつかと、源義朝ゆかりの地を訪れます。結構盛沢山なコースです。
知多半島の歴史を感じるほか、ビーチやちょっとした山歩きも楽しめるコースです。距離は12.2kmありますから、割と長めのハイキングになります。
コースの見どころ
まず訪れるのは知多四国第四十七番札所 持宝院、内海駅からすぐの山手です。
![持宝院](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/ada8481f4f13b8436325434b428bb198-1024x576.jpg)
次は内海の街中を少し歩いて、知多四国第四十六番札所 如意輪寺。
![如意輪寺](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/b7d5ff730555b95c08af66c43310f838-1024x576.jpg)
如意輪寺から川沿いに出て川沿いを進むと内田佐七家。内田家は尾州廻船内海船船主で、建物は明治初期のものだそうです。取材の日は残念ながら閉館日でした。
![内田佐七家](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/1a4bdca6a3d0b22fce8033da3341de9c-1024x576.jpg)
内田家に近い慈光寺は知多四国八十八ヶ所霊場に入っていませんが、南知多三十三観音霊場の一つです。ここには、あごなし地蔵と呼ばれる地蔵様があります。慈光寺には秘仏大日如来像があり、十二年に一度開帳されるとか。
![あごなし地蔵](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/e54f14bbc7767f304920c976a55b2ff2-1024x576.jpg)
近くの泉蔵院は知多四国第四十五番札所。海岸近くの山が突き出たところにありますが、この地にはかつて一色城があったとか。
![泉蔵院](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/0e67e349cd7e1b15bee75a686e5fe09f-1024x576.jpg)
泉蔵院の後、ハイキング・コースは海岸線をたどります。内海海水浴場は名古屋近郊の海水浴場として有名なところ。でも夏以外は静かなものです。飲食店も繁忙期以外はほとんど閉まっているようですので要注意。
道の右側にある福智満虚空蔵大菩薩を過ぎてどんどん歩きます。福智満虚空蔵大菩薩というのが耳慣れない名称なので調べてみましたが、わからず。ただ伊勢湾をはさんだ伊勢の朝熊岳金剛證寺に福威智満虚空蔵大菩薩というのがありますので、そこと関係があるのでしょうか。
内海新港のあたりから右側に山が迫り、その先で国道を歩くことになります。この部分、さほど面白いものはないですし、国道歩きは危険ですから、山の中の道を迂回路にとるのも一興でしょう。ただし距離は長くなります。
内海の次の小野浦も、ビーチがある海水浴場です。小野浦のあたりの海岸線を通るのは、旧常滑街道。名古屋の鳴海と、南知多町の大井を結んでいた街道です。小野浦に入るあたりにケーキとパスタのお店、ソイビーンがあります。取材の時はコロナ禍のためかお休みでした。
古くからある小野浦館という旅館のところから、右に折れ、山側に向かいます。その先にあるのが三吉記念碑。三吉は岩吉・久吉・音吉の三人のことのようです。この三人の船乗りは1832年宝順丸という千石船で江戸へ向かう途中嵐で漂流。アメリカ西海岸へ漂着したそうです。その後を含んだ詳しいストーリーはこちら。教科書で習いませんが、非常に興味深いです。
![音吉の像](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/3a76a236366bb28395e6068277d4cbc8-1024x576.jpg)
次に目指すのは知多四国第48番札所の良参寺です。音吉の遺骨の一部は2005年にシンガポールから帰国し、この寺に納められたそうです。大きな木はイブキ。
![良参寺](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/640697b11e357ff9baf69bf7de937294-1024x576.jpg)
良参寺を出ると、ハイキングコースはこれまでとは打って変わった山の中に入ります。車が通れない、未舗装の道です。地元の人以外はほとんど気が付かない道だと思います。暑い時には樹下でほっとします。この道に入る前に海岸の方へ向かうと、食と健康の館があり、火曜日以外はランチをとることができます。タイミングにもよりますが、海水浴シーズン以外このコースの中間点付近には飲食店が限られているので、お勧めです。
しばらく歩き、峠を超えるとため池がいくつかあります。そこで野生のイシガメを見つけました。
人里に降りて来て、次に訪ねるのは曹洞宗の護国山 吉祥寺。行基作とされる秘仏の毘沙門天王像があります。
![吉祥寺](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/c8a9b2a1df9f250fe0c690791cd8a0b4-1024x576.jpg)
吉祥寺からは再び山道。野間を目指します。ここからの道も、また地元の人以外は知る由もない道。
次に訪ねるのは瑞境寺です。開けた感じのするお寺です。本堂などは200年以上前のもの。
![瑞境寺](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/52b7e2faf0e75f1d22ab4514e9ec3f85-1024x576.jpg)
瑞境寺からは野間の中心部に入り、知多四国八十八ヶ所霊場に属する寺院が密集しています。次に訪れるのは密蔵院。瑞境寺と並ぶように配置されている寺院です。
![密蔵院](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/1e2d1d211109caf0f681d17856cd221e-1024x576.jpg)
密蔵院から野間大坊の方へ少し歩くと第五十三番札所の安養院。賤ヶ岳の戦いで柴田勝家側につき、捕らえられた織田信孝(織田信長の三男)が自害した場所だそうです。
![安養院](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/00206500a25752903072a678128c874a-1024x576.jpg)
安養院からは、このハイキングコースのハイライトの一つ、野間大坊大御堂寺は指呼の間。知多四国八十八ヶ所霊場では、野間大坊が第51番札所、大御堂寺が第50番札所となっています。この二つは真言宗豊山派に属する寺院で、同じ境内にあり、公式ホームページも一つです。お堂だけは独立しているようですが。
![第五十番霊場 大御堂寺](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/d7948de098775c9b89dba52076fc1ab2-1024x576.jpg)
境内には「おやすみ処まどか」があり、ソバなどの軽食や、ぜんざいなどを頂くことができます。
![おやすみ処まどかの冷やしぜんざい](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/IMG_20201021_135701-300x225.jpg)
野間大坊で源義朝の墓などを見学した後、義朝が最後を遂げたとされる法山寺へ向かいます。
![源義朝の墓](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/f4856670079def08960dea55e9844979-1024x576.jpg)
源義朝の墓の近くには義朝の首を洗ったという血の池もありますが、一見ただの汚い池です。
法山寺への途中にあるのが、義朝を襲った長田忠致が源頼朝によって磔にされた長田の磔の松。
![磔の松](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/59a0f09fe81badb2cc3691dd1ec78e57-1024x576.jpg)
法山寺はかつては義朝が立ち寄るほど栄えていたのでしょうが、今はひなびた寺院です。義朝が殺された湯殿は法山寺の境内を更に進んだところにあります。
![法山寺にある義朝が殺された湯殿](https://guide.isekinotabi.com/wp-content/uploads/2021/04/IMG_20201021_143946-1024x768.jpg)
法山寺から名鉄野間駅までは10分ほど。
集合場所
名鉄内海駅が集合場所、出発点になります。解散は名鉄野間駅です。
行程とコースタイム
このコースは名古屋鉄道内海駅から歩き始め、見学を含めて5時間ほどです。舗装道路が多いですが、一部山の中の未舗装の道を通ります。
昼食
内海の街中に飲食店があります。海水浴場にある店は、シーズン以外は閉まっている可能性が高いです。野間大坊の周辺にも飲食店がありますが、そこまでの道中にはあまりありません。野間駅の近くには飲食店はありません。
トイレ
内海駅、内海海岸、野間大坊、野間駅にトイレがあります。
持ち物と服装
街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。
ハイキング適期
年中訪れることができますが、夏の暑い時期は避けるほうが良いでしょう。