2022年NHKの大河ドラマは鎌倉殿の13人です。でも京都駅近くにあるにもかかわらず、源氏ゆかりの 六孫王神社 を訪れる人はほとんどいません。そして東寺。近くにありますから、ウォーキングとしては歩く距離がかなり少なくなります。しかし、東寺は見どころが多いので、この2ヵ所を周るだけで半日を見込むほうが良いでしょう。
六孫王神社ウォーキング・コースの行程
京都駅は八条口から出て右手(西)に新幹線沿いの八条通を進みます。
平重衡受戒の地
堀川通と八条通が交差するところにぽつんと立つ石標があります。これは平重衡(たいらのしげひら)受戒の地を示す碑です。平重衡は平清盛の五男で,源平の争乱における平氏の武将です。一の谷の合戦で源氏に捕らえられ、平家に対抗していた東大寺や興福寺を焼き討ちした罪を問われ,奈良で処刑されました。平家物語巻十によると、重衡は一の谷から京都へ移され、八条堀川で幽閉されました。最期を悟った重衡は、法然との面会を求め、応じた法然から戒を授けられたとされています。コンビニ前の歩道にポツンとこんな場所があるのが、さすが京都ですね。
さらに新幹線沿いの道を進むと、大宮八条の交差点。その先南側に東寺の北総門(重要文化財)がありますが、とりあえず通過します。
六孫王神社
さらに八条通をしばらく進むと、道の北側に六孫王神社。ここは清和源氏発祥の地と言われるところです。祭神は清和源氏始祖の源経基です。源経基は清和天皇第六皇子の貞純親王の子で、天皇の孫でした。このため、通称「六孫王」と呼ばれていたそうです。拾遺和歌集にも収録されている和歌の名手だったとか。六孫王神社境内には源経基の歌碑があります。
社伝では、源経基の邸宅「八条亭」がここにあり、源経基もこの地に葬られたとされています。現在の社殿は、源氏の子孫を称する徳川家によって、1707年に再建されたものです。
東寺北総門に戻って、東寺の境内に入ります。北総門からの道は櫛笥小路といい、古の平安京の道の幅そのものだとか。
観智院
左側にあるのが観智院。東寺の塔頭の一つですが、ここは真言宗一宗の勧学院(大学のようなもの)でした。入り口はただの小さな塔頭のようですが、ぜひ見学していただきたいところです。
観智院の客殿は国宝。江戸時代初期の建物です。客殿の上段の間には、宮本武蔵が描いた「鷲の図」と「竹林の図」があります。本堂の本尊は、五大虚空蔵菩薩で、五体の動物に乗った像があり、重要文化財になっています。動物は獅子、象、馬、孔雀、迦楼羅(ガルーダのこと)で、これらは遣唐使によって、唐の都長安からもたらされたものだそうです。寺伝では、平安時代前期の僧、恵運が長安から当初、山科の安祥寺にもたらし、その後賢宝が安祥寺から移して観智院の本尊としたそうです。これらはすべて撮影禁止なので、東寺のオフィシャルページで確認してください。
東寺
観智院を出たら、いよいよ東寺の伽藍です。平安京遷都が行われた時に、桓武天皇によって作られた寺院は東寺と西寺だけ。羅生門を挟んで左右対称に作られていたそうです。その後、西寺と羅生門は焼失し、東寺だけが残りました。東寺の区割りは唯一平安京が造られた当時の区割りを残しているそうです。桓武天皇の後を継いだ嵯峨天皇は、空海を招き入れ、東寺は真言密教の寺となりました。東寺の歴史に関してはこちらで確認してください。
東寺には国宝が25件、重要文化財は52件もあります。残念ながら建物の外観以外は撮影できませんので、東寺の寺宝に関してはこちらをご覧ください。建物では金堂が国宝、五重塔が国宝、講堂が重要文化財、御影堂が国宝です。金堂・講堂・五重塔の拝観は有料ですが、国宝・重要文化財の仏像が所狭しと並んでおり、必見です。五重塔の内部は特別公開の時にしか見ることができません。東寺宝物館も公開される時期は限られていますので要注意です。
東寺から京都駅へは東側の慶賀門を出て徒歩で帰るか、最寄りのバス停からバスを利用することになります。