京都ウォーキング 大覚寺・祇王寺・清凉寺

この京都ウォーキング・コースは嵯峨野にある三つの寺院を訪ねるものです。大覚寺と清凉寺は、駅から同方向にありますが、祇王寺は少し離れていて、常寂光寺二尊院と一緒に訪ねるのが普通かと思います。こちらのコースを参照

現在祇王寺は大徳寺が管理しており、大徳寺と祇王寺の拝観券を同時に買うと割引になるためこのような構成にしてあります。

このコースの地図を参照

このコースの行程

地図では、JR山陰本線の嵯峨嵐山駅を起点にしていますが、京福電鉄の嵐山駅や、最寄りのバス停から歩くことも可能です。大覚寺の前にはバス停もあります。(大覚寺までの経路をGoogle Mapで確認

大覚寺

大覚寺は真言宗大覚寺派の本山です。平安初期に嵯峨天皇が建てた離宮、離宮嵯峨院が大覚寺の前身です。876年に大覚寺となりました。今でも大伽藍が立ち並ぶと言うよりは、寝殿風の建物が連なる寺院で、かつての名残を感じさせます。

大覚寺の入り口
大覚寺の入り口

大覚寺の拝観券は3ヵ所に分かれており、お堂エリア、大沢池エリア、そして祇王寺となっています。詳しくは大覚寺のホームページを参照してください

見学はお堂エリアから始まります。多くの建物が立ち並びますが、まるで御所のように前庭に桜と橘が植えられた宸殿と、非公開の正寝殿が重要文化財です。大覚寺の宸殿は江戸時代に後水尾天皇から下賜されたものだそうですから、御所時代の名残があるわけです。

大覚寺の宸殿
大覚寺の宸殿

大沢の池は周囲が1kmある人口の池です。嵯峨天皇が離宮嵯峨院の造営にあたって、唐の洞庭湖を模して造られた庭園です。スケールの大きさに驚きます。

名古曽の滝は小倉百人一首にも詠まれています。

滝の音は 絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ (藤原公任)

祇王寺

大覚寺から祇王寺へはおおむね気持ちの良い田園風景と、住宅地の中を歩いて行きます。嵐山から化野へ向かう道から山の方へ分かれた道のどん詰まりに祇王寺があります。祇王寺は、平家物語にゆかりのある寺です。(祇王寺のホームページはこちら

祇王寺は、平家物語源平盛衰記によれば、平清盛の寵愛を得ていた白拍子の祇王が冷たくあしらわれるようになり、母の刀自、妹の妓女とともに当時の嵯峨往生院で尼になったそうです。往生院はその後廃寺となり、荒れ果てていたものを、大覚寺が残された仏像と墓を保護し、明治になって庵を建てて祇王寺となったそうです。この辺りの経緯はこちら。祇王寺は苔や緑の木々が美しい寺です。

清凉寺

清凉寺は通称を嵯峨釈迦堂といい、釈迦を本尊としています。本堂の釈迦如来立像は国宝で、インド伝来と伝えられています。通常は秘仏です。また清凉寺の前身である棲霞寺は源氏物語の中で光源氏が造営した「嵯峨の御堂」に目されている寺院です(公式サイトはこちら)。国宝などに指定されている阿弥陀三尊像などの文化財は霊宝館に収蔵されていますが、残念ながら常時公開されているわけではありません。本堂は五代将軍徳川綱吉の発願で再建されたものだそうです。仁王門は江戸中期のものですが、仁王像は室町時代だとか。本堂裏にある庭園も美しいので是非どうぞ。

清凉寺の一角には豊臣秀頼首塚があります。1980年に大坂城の発掘で発見された頭蓋骨が豊臣秀頼のものではないかと言われ、ここに葬られたそうです。

豊臣秀頼首塚
豊臣秀頼首塚

清凉寺からは最寄りの駅に戻ります。

ランチ

このコース沿いには数多くの飲食店があります。時間が合えば、清凉寺境内にある竹仙をお勧めします。ここは近くにある嵯峨豆腐の名店「森嘉」のお豆腐を使った湯豆腐が楽しめます。

周辺の見どころ

嵐山から化野へと向かうコースと大覚寺を組み合わせることができますが、見学時間を含めるとかなり長いコースになります。


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