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滋賀県の安土城に近い繖山山麓にある桑実寺は、天智天皇の勅願で、白鳳時代の677年頃に創建されたと伝えられています。初代の住職であった定恵が、唐から持ち帰った桑をここで育てたので、桑実寺と呼ばれるようになったとか。

1532年に、政争に敗れた室町幕府の時の将軍足利義晴が、当時観音寺城にいた佐々木定頼(六角定頼)をたよって桑実寺に仮の幕府を置き、3年程継続したそうです。この時に作らせたのが重要文化財の「紙本著色桑實寺縁起2巻」だそうです。さらに15代将軍足利義昭織田信長の上洛前に桑実寺に滞在したことがあるそうです。

最寄りできであるJR安土駅を東側に出て繖山へ向かって歩いていくと、坂道に入り、坂道はやがて石段になります。その先にあるのが桑実寺の山門。

桑実寺の山門
桑実寺の山門

山門の脇には、かつて安土瓢箪山古墳の上に安置されていたという石造の地蔵像があります。

かつて安土瓢箪山古墳の上に安置されていたという石造の地蔵像
かつて安土瓢箪山古墳の上に安置されていたという石造の地蔵像

山門からしばらくは急な石段が続きます。途中には石橋や地蔵堂などがあります。

桑実寺の本堂は室町時代に再建されたもので国の重要文化財です。本尊の薬師如来像は秘仏で、12年に一度だけ開帳されます。

桑実寺の本堂
桑実寺の本堂

本堂の内部には、今は無くなった三重塔やお堂にあった仏像が移されています。

本堂から少し登ったところにある太子堂は、織田信長が1576年に桑実寺に寄進したもの。安土城の建築を始めたころだそうです。ただし、現在ある建物は大正時代に再建されたものです。

桑実寺太子堂
桑実寺太子堂