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知多半島西ノ口駅から大野城、大草城、常滑街道(ハイキング・コース)

    名鉄西ノ口駅から始まるこの辺りは、ハイキング・コースとしてはほぼ使われていないかと思います。道中にある大野城、大草城も知名度は低く、観光客の姿もほぼ見られません。しかしどちらも、一度訪れる価値のある城跡ですし、また、名鉄知多線や常滑街道に沿った山の上を歩く常滑街道の一区間は、知られていませんがとても快適なハイキングコースです。知多四国八十八ヶ所霊場に含まれる寺院もいくつかあり、知多半島の歴史と風土の一端に触れられるコースです。

    取材のときは名鉄古見駅まで歩いていますが、途中の長浦から古見までは見所もなく、歩いていて楽しい道ではありませんから、名鉄長浦駅をゴールにするほうが良いかもしれません。古見駅までだと13㎞あまり。長浦駅までだと10㎞程のコースです。


    名鉄西ノ口駅は各駅停車しか停まりませんので注意が必要です。駅を出て東側に丘陵が見えますので、そちらのほうへ向かって歩いていきます。名古屋方面から来ると、名鉄線に沿ってずっと続いている丘陵の延長になります。

    住宅地を抜けて登りついたところにあるのが大野城(宮山城)。大野城は南北朝時代の三河国守護一色範光が築き、戦国時代に、伊勢湾で佐治水軍を率いていた佐治氏が居城にしていた城でした。浅井長政お市の方の三女、お江は最初、大野城主の佐治一成の妻となりましたが、後に離婚しています。佐治一成の父、佐治信方は織田信長の妹、犬を妻としていますから、織田家の中でも重要な家臣だったのでしょう。

    大野城跡には大きな空堀が残っており、櫓が立っていたとされるあたりには、現在は天守閣を模した展望台と、佐治神社があります。

    大野城跡から東に下ると、中之坊寺知多四国八十八ヶ所霊場第六十六番札所です。その近くに天満社があり、お江にゆかりがあるようですが、詳細はわかりませんでした。

    中之坊寺
    中之坊寺

    次に向かうのは小倉町にある蓮台寺と、その境内にある三光院です。三光院知多四国八十八ヶ所霊場第六十七番札所です。写真左側の建物が三光院です。蓮台寺境内には大野城初代城主、佐治宗貞の墓や、お江が衣を掛けたと言われる松(の跡)、そして開かずの門などがあります。

    蓮台寺と三光院
    蓮台寺と三光院
    三光院
    三光院
    開かずの門と衣掛けの松
    開かずの門と衣掛けの松

    三光院を後にしたら、次に向かうのは慈光寺です。慈光寺は知多四国八十八ヶ所霊場第六十九番札所です。第六十八番の宝蔵寺も、それほど遠くないところにありますが、コースからは少しそれています。時間があれば、三光院から宝蔵寺を経て慈光寺へとまわっても良いでしょう。

    慈光寺
    慈光寺

    慈光寺には開山の時に植えられたという、樹齢700年以上のシイの木が2本あります。知多半島の寺院には古木が多いですね。

    慈光寺のシイ
    慈光寺のシイ

    次は、少し東にある大草城へ向かいます。大草城は作りかけで放置された城ですので、期待していませんでしたが、なかなか規模が大きく、一見の価値のある城跡でした。織田信長が1574年に長男織田信忠に尾張をゆずった時に、信長の13歳下の弟、織田長益(茶人の有楽斎として知られる大名)が佐治氏の後見として知多郡を与えられ、1581年に大野城に代わる城として大草で築城を開始したものの、本能寺の変小牧・長久手の戦いの後、織田長益が摂津国に移されたため未完のまま廃城となったようです。

    しばし、大草城跡を散策したら、堀を東にわたって摩尼山地蔵寺。地蔵寺は知多四国八十八ヶ所霊場第七十番札所です。

    摩尼山地蔵寺
    摩尼山地蔵寺

    地蔵寺には知多市指定文化財の大日如来坐像と、薬師如来座像があります。どちらも鎌倉時代の寄木造です。

    大日如来坐像と薬師如来座像
    大日如来坐像と薬師如来座像

    地蔵寺を出たら、大草城の北側を回り込み、常滑街道に入ります。角には常夜灯が。周辺は旧街道の名残を若干とどめてはいるものの、かなり宅地開発が進んでいる様子。

    常滑街道の常夜灯
    常滑街道の常夜灯

    やがて日長川の橋を越えると、日長神社一の鳥居。鳥居の先に続く参道は、旧家が多く、雰囲気の良い道です。

    日長神社一の鳥居
    日長神社一の鳥居

    日長神社には急な階段を登ります。日長神社の本殿は新しいもので、あまり趣はありません。ここには古代尾張氏ゆかりとされる日長命、日本武尊倉稲魂命が祀られています。日本武尊が東征に向かう途中、この地に立ち寄ったという伝説があるとか。日長神社には名鉄日長駅からアクセスできます。

    日長神社
    日長神社

    日長神社本殿の脇に磐境があります。個人的にはこの方が興味があります。磐境とは神社に社殿を建てるようになる以前の、岩を使った祭祀施設で、古代からこの地に神が祀られていたことを示しているようです。

    日長神社本殿脇の磐境
    日長神社本殿脇の磐境

    日長神社からはさらに常滑街道をたどります。このあたりは、昔ながらの家並みが残り、非常に歩いていて雰囲気の良いところです。

    常滑街道沿いの風景
    常滑街道沿いの風景

    集落を抜けると、常滑街道は丘陵の上、畑や木立があるところを通る細道になります。この道は大草城と並ぶ子のハイキングコースのハイライトです。知られていない道ですが、一度は歩いてみたい道。

    この美しい道を抜けると、急に常滑街道は新興住宅街に入ります。ここから名鉄長浦駅は近いですから、長浦駅をゴールにするのがお勧めです。取材の時は名鉄古見駅まで歩きましたが、途中かなり退屈な道が続きます。

    古見駅周辺には妙楽寺があります。知多四国八十八ヶ所霊場第七十九番札所です。順番では79番ですが、知多四国霊場の始まりは、この妙楽寺の第13世亮山阿闍梨が1809年に夢枕で弘法大師(空海)のお告げを聞いた時です。後に岡戸半蔵、武田安兵衛の二人の協力者を得て1824年に成立しました。この3人を合わせて知多四国霊場の「三開山」と呼んでいます。

    妙楽寺
    妙楽寺

    妙楽寺の南の丘陵には古見神明社があります。国常立尊(くにのとこたちのみこと)が祭神です。神明社というと通常は天照大御神が祀られているのですが、ここは違いますね。この山上には椿古墳があるのですが、しばらく藪を漕いでみましたがわかりませんでした。

    古見神明社
    古見神明社

    集合場所

    名鉄西ノ口駅集合です。ゴールは名鉄長浦駅あるいは名鉄古見駅です。

    行程とコースタイム

    このコースは名鉄西ノ口駅から歩き始め、5時間ほどでまわれます。大野城、大草城などの敷地内を除けばおおむね舗装道路です。

    昼食

    飲食店はコース上にはあまりありません。途中、名鉄新舞子駅近くを通りますので、駅周辺の喫茶店などを利用するのが良いでしょう。

    トイレ

    城跡や寺社などところどころにトイレがあります。

    持ち物と服装

    街歩きの服装で大丈夫です。靴はスニーカーを勧めます。

    ハイキング適期

    年中訪れることができますが、夏の暑い時期は避けるほうが良いでしょう。

    近隣の見どころ

    知立市岡田の古い街並みがあります。ただし、歩くとちょっと距離があります。古見駅から岡田の街並みを訪ねるコースはこちら。